災害時に孤立する集落は、全国で2万か所を超えることが明らかになっています。
昨年1月に発生した能登半島地震では、孤立した49地区のうち6割が想定外だったことが判明し、現場経験からも、災害時の孤立は予測困難で深刻な問題であることを痛感します。
■① 孤立集落とは
内閣府による定義では、孤立集落とは、
- 地震や豪雨による土砂災害
- 液状化
- 津波などの影響
によって、外部から車両で到達できなくなる状態を指します。
アクセスが遮断されることで、ライフラインや救援の遅延リスクが高まります。
■② 全国の孤立可能性集落の現状
読売新聞のまとめによると、独自調査を行った35道府県のうち、少なくとも22府県で孤立可能性集落が増加。
非公表や未調査の都道府県を含めると、全国で 20,993か所 に達しています。
大分県は1,202か所、広島県は1,114か所と多く、自治体は備蓄や通信手段の確保を急ぐ必要があります。
■③ 能登半島地震での教訓
2024年1月1日の能登半島地震では、石川県の49地区で孤立が発生。
このうち30地区は平地にもかかわらず想定されておらず、事前計画だけでは防げない孤立の現実を示しました。
この教訓から、自治体は平時からの備蓄強化や通信手段確保、避難経路の確認を重要視しています。
■④ 増加の背景
孤立可能性集落の増加は、地形や土砂災害の警戒区域の増加に起因します。
国土交通省が2020年に航空レーザー測量を活用した高精度調査を指針として示したことで、全国の土砂災害警戒区域は約70万区域に倍増しました。
結果として、従来想定されなかった地域でも孤立のリスクが顕在化しています。
■⑤ 平時の備えが不可欠
孤立集落が発生した場合、災害対応は自治体だけに依存せず、住民自身の備えが生死を分けます。
備蓄品や通信手段の確保、避難計画の確認、家族や隣人との連絡体制の整備は必須です。
- 食料・水・医薬品・燃料の備蓄
- 携帯電話や無線機などの通信手段
- 避難経路や集合場所の事前確認
- 高齢者や要援護者への支援計画
■⑥ 自助・共助の観点
災害時は自助が最優先ですが、共助も不可欠です。
地域住民同士で連携し、孤立した集落を支援する体制を日頃から整えることが重要です。
防災士としての経験上、隣接集落や自治体間の事前協力が、孤立リスクを軽減する効果が高いことを確認しています。
■まとめ|想定外の孤立に備える
災害時、想定外の孤立は全国各地で発生し得ます。
能登半島地震の教訓を踏まえ、自治体と住民が連携し、平時から備蓄・通信・避難体制を整えることが重要です。
結論:
孤立可能性集落の存在を前提に、平時から自助・共助の備えを徹底することが、災害時の命と生活を守る鍵である。
防災士として現場を経験して感じるのは、事前に連絡網や備蓄を整えている地域ほど、災害発生時に混乱を最小限に抑えられるということです。

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