冬の防災というと、暖房器具や非常用毛布を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし防災の現場と健康被害のデータから見ると、本当に重要なのは「寒さそのものを家に入れないこと」です。その中でも、最も費用対効果が高く、今すぐ取り組める対策が「窓」です。
■① 日本は寒さによる死亡リスクが非常に高い
日本では、寒さに起因する死亡が全体の約1割を占めるとされています。これは暑さによる死亡を大きく上回る数字で、決して軽視できません。寒さは静かに、しかし確実に命を脅かします。
■② ヒートショックは寒さ被害の一部にすぎない
寒さは血圧上昇や血管収縮を引き起こし、心疾患や脳血管疾患のリスクを高めます。また呼吸器系にも悪影響を及ぼし、その影響は数週間続くとされています。
■③ 寒い家ほど転倒・骨折が増える
寒さで筋肉や靱帯が硬くなると、転倒時のケガが増えます。実際に、住宅内での転倒・転落事故は増加傾向にあり、高齢者の要介護原因としても上位に挙げられています。
■④ 暖房性能だけでは寒さは防げない
床暖房や最新エアコンがあっても、家の中の熱は逃げ続けます。寒さ対策の本質は「温める」ことではなく「逃がさない」ことです。
■⑤ 熱の最大の逃げ道は「窓」
住宅の中で最も断熱性能が低いのが窓です。壁や天井よりも、窓から多くの熱が失われています。つまり、窓対策は住まいの弱点を直接補強する行為です。
■⑥ 内窓設置は現実的で効果が高い
既存の窓の内側に内窓を設置するだけで、断熱性は大きく向上します。工事は短時間で済み、住環境は大きく改善されます。
■⑦ 窓対策は睡眠と生活の質も変える
室温が安定すると睡眠の質が向上し、夜間頻尿の減少など健康面の改善も期待できます。これは災害時の体力維持にも直結します。
■⑧ 住まいの寒さ対策は立派な防災
寒い家は、平時でも命を削ります。災害時にはなおさらです。住まいの断熱は、日常と非常時を同時に守る防災対策です。
■まとめ|寒さを防ぐことは命を守ること
防災は非常時だけの話ではありません。
結論:
真っ先にやるべき寒さ対策は「窓」を守ることである
防災士として、寒さが引き金となって体調を崩し、そのまま命に関わるケースを数多く見てきました。暖房を増やす前に、寒さを入れない住まいづくりを考えること。それが、最も現実的で効果の高い防災です。

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