山梨県上野原市で発生した山火事を受け、県は自衛隊に災害派遣要請を行い、一部地域では避難指示が出されました。山火事は一見すると身近に感じにくい災害ですが、実際には判断の遅れが命に直結する災害の一つです。
■① 山火事は「気づいた時には近い」災害
今回の火災は、「煙が見える」という通報から始まりました。
山火事は初期段階では遠くに見えても、風向きや地形の影響で急激に延焼範囲が広がる特徴があります。
特に山間部では、
・斜面を駆け上がる火
・谷風による延焼加速
が起こりやすく、想定よりも早く危険が迫ります。
■② 自衛隊災害派遣が意味する状況
県が自衛隊に災害派遣を要請したという事実は、
「市町村・消防の対応だけでは長期化・拡大の恐れがある」
と判断されたことを示しています。
ヘリによる空中消火は、地上から近づけない山火事において重要な手段であり、広域・長期対応が前提になります。
■③ 日没で消火活動が止まる現実
8日は日没をもって山での消火活動が打ち切られました。
これは怠慢ではなく、夜間の山岳消火は極めて危険であるためです。
つまり、
夜間は「火が止まる」のではなく「対応できない時間帯」が生まれる
という現実を理解しておく必要があります。
■④ 避難指示が出た人数の少なさに惑わされない
今回、避難指示の対象は12世帯18人と比較的少数でした。
しかし、人数の多寡で危険度を判断してはいけません。
山火事は、
・風向きが変わる
・火の粉が飛ぶ
・一気に延焼範囲が変わる
といった「予測不能性」が高い災害です。
■⑤ 山火事の避難は「早すぎる」くらいが正解
山火事においては、
「まだ大丈夫」
「様子を見よう」
という判断が最も危険です。
煙が見える、焦げ臭い、消防車が頻繁に通る――
これらはすでに避難準備段階を超えているサインであることも少なくありません。
■⑥ 在宅待機が成立しにくい災害
地震や台風と異なり、山火事は在宅避難が成立しにくい災害です。
理由は、
・煙による健康被害
・火の粉による飛び火
・道路遮断の可能性
があるためです。
「家が無事かどうか」ではなく、
「安全に留まり続けられるか」で判断する必要があります。
■⑦ 情報収集は「自治体発信」を最優先に
山火事発生時は、不確かなSNS情報や噂が広がりやすくなります。
避難の判断は、
・市町村の防災無線
・自治体公式サイト
・公式SNS
を基準に行うことが重要です。
■まとめ|山火事は“判断の速さ”が命を守る
結論:
山火事は「火が見えた時点で遅い」と考えて行動することが重要です。
防災士として現場を見てきた経験上、山火事で最も多い失敗は
「危険が迫ってから避難しようとすること」です。
山火事は逃げ道を奪うスピードが速い災害です。
自律型避難の視点を持ち、
「避難指示が出た=迷わず動く」
この判断を徹底することが、命を守る最大の防災行動になります。

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