災害後、「カウンセリングを受けるほどではない」「治療が必要な人が行くもの」と思われがちです。被災地での支援経験から感じたのは、この誤解が、心の回復を遅らせている場面が少なくないという現実でした。心理カウンセラーは“治す人”ではなく、“受け止める人”である理由を整理します。
■① 心理カウンセラーは診断や治療をする人ではない
心理カウンセラーは医師ではありません。被災地でも、病名を付けたり、正解を示したりする役割ではなく、話をそのまま受け止める存在として機能していました。
■② 「何も言われない」ことが支えになる
現場では、「アドバイスされなかったのが救いだった」という声を多く聞きました。評価や指導がないことで、初めて安心して話せる人が多かったです。
■③ 気持ちを整理する“壁打ち相手”になる
自分の気持ちは、話しながら初めて形になります。被災地では、話すことで「自分はここがつらかったのか」と気づく人を多く見てきました。
■④ 強くならなくていい場所を作る
避難生活では、「前向きでいなければ」という空気が生まれがちです。現場では、弱さを出しても否定されない場所があるだけで、心の緊張が緩んでいました。
■⑤ 受け止めてもらう経験が回復につながる
否定されずに話を聞いてもらう体験は、自己肯定感を守ります。被災地では、この経験が、その後の生活再建の土台になっていました。
■⑥ すぐ楽にならなくても意味がある
一度のカウンセリングで劇的に変わることは多くありません。現場では、「話せたこと自体が大きかった」と、後から振り返る人が多かったです。
■⑦ カウンセラーは“最後の手段”ではない
限界になってから行く場所ではありません。被災地では、早めに関われた人ほど、心の消耗が深刻化していませんでした。
■⑧ 受け止めてもらえる場所がある安心感
被災地で学んだのは、治されなくても、受け止めてもらえる場所があると知っているだけで、人は踏ん張れるという事実でした。

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