被災後、
「いつか元通りの生活に戻さなきゃ」
「以前と同じ状態に戻るのが目標だ」
と、自分にゴールを課してしまう人は少なくありません。
しかし被災地や災害対応の現場で何度も見てきたのは、
“元通り”を目標にしなかった人ほど、心が安定して前に進めていたという現実でした。
■① 災害後に“元通り”は存在しない
災害は、
・住環境
・人間関係
・仕事や役割
・心の感じ方
を大きく変えます。
状況が変わっている以上、
同じ状態に戻ろうとすること自体が
心に無理をかけてしまいます。
■② 被災地で見た「元通りを目指して苦しくなった人」
現場では、
・以前と同じ生活水準に固執する
・回復の遅れを失敗と感じる
・「まだ戻れていない」と自分を責める
人を多く見ました。
それは怠けではなく、
目標設定が過酷すぎただけでした。
■③ 心の避難は“新しい基準を作ること”
助かっていた人ほど、
・「今できる形」を基準にしていた
・小さな安定を積み重ねていた
・元通りという言葉を使わなかった
共通点がありました。
ゴールは、安心して今日を終えられることです。
■④ 元通りを目指すと今が否定される
元通りを目標にすると、
・今の自分を未完成だと感じる
・小さな回復に気づけない
・焦りが増す
悪循環に陥ります。
回復は、段階的に形を変えていくものです。
■⑤ 防災士として現場で確信したこと
長期的に安定していた人ほど、
・「元通りじゃなくていい」と口にしていた
・生活を作り直す感覚を持っていた
・変化を受け入れていた
という特徴がありました。
作り直すことは、後退ではありません。
■⑥ 今日からできる「元通りを手放す心の避難」
おすすめは、
・「今日はここまででOK」と区切る
・昨日より少し楽だった点を見る
・未来より今日の安心を優先する
これだけで十分です。
目標を軽くすることも、防災行動です。
■⑦ 迷ったらこの判断|それは現実的な目標か
迷ったときは、
「その目標は今の自分を助けているか」
を自分に問いかけてください。
苦しくなるなら、
手放していい目標です。
■⑧ 元通りを目標にしないことも“心の避難”
心の避難とは、
過去を追いかけることではありません。
今の状態から
壊れない形を積み上げることも、避難です。
防災とは、
元に戻すことではなく
新しい日常を無理なく作ることです。
元通りを求めない
今を基準にする
安心を積む
その心の避難こそが、
被災地で人を支えていました。

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