防災に必要なのは、物資だけではありません。
最後に人を守るのは、
「体」と「判断力」と「行動力」です。
その土台を育てるのが、実は――スポーツです。
元消防職員として多くの災害対応に関わってきましたが、
体を使う経験を積んでいる人ほど、災害時の動きが早いと感じてきました。
■① 技能獲得支援とは何か?
技能獲得支援とは、
・体の使い方を学ぶ
・瞬時の判断力を鍛える
・仲間と連携する力を育てる
といった「生きる力」を育てる支援です。
防災教育の中でも、近年は「座学だけでなく体験型」が重視されています。
■② スポーツと防災は似ている
スポーツが防災と共通する点は多くあります。
・状況を読む
・声を出す
・助け合う
・瞬間判断をする
・失敗から学ぶ
例えば野球やサッカーでは、
常に「次の一手」を考えながら動きます。
これは災害時の避難判断と非常に似ています。
■③ 災害現場で差が出る力
実際の災害対応で差が出るのは、
・転倒しない体幹
・長時間動ける持久力
・パニック時の呼吸コントロール
です。
スポーツ経験者は、
・重い荷物を持つ
・段差を素早く越える
・疲れても冷静さを保つ
といった動きが自然にできることが多い。
これは偶然ではありません。
■④ 子ども世代への技能獲得支援
防災は「教える」よりも「体験させる」ほうが身につきます。
例えば、
・避難所設営をチーム戦形式にする
・バケツリレーをゲーム化する
・ロープワークを競技にする
こうした工夫で、防災技能は楽しく習得できます。
スポーツと防災を掛け合わせることで、
「怖い防災」から「動ける防災」へ変わります。
■⑤ 高齢者にも効果的
技能獲得支援は若者だけのものではありません。
・バランス運動
・軽い筋トレ
・ウォーキング
これらは転倒防止に直結します。
災害関連死の多くは、
避難後の体力低下や転倒が原因です。
スポーツ習慣は、
「耐災害力」を高める基礎体力になります。
■⑥ 現場で多かった誤解
よくある誤解は、
「防災は知識があれば十分」
という考えです。
知識だけでは動けません。
煙が充満する中、
重いドアを押し開けるのは体です。
長時間の避難生活を支えるのも体です。
防災は、頭と体の両方で備えるものです。
■⑦ 防災×スポーツの実践アイデア
家庭や地域でできること:
・週1回の体力チェック
・家族で避難ルートを走ってみる
・リュックを背負って階段昇降
・地域防災運動会の実施
楽しみながら身につける。
これが壊れない防災です。
■⑧ まとめ
・技能獲得支援は防災力を底上げする
・スポーツは判断力と行動力を育てる
・体力は災害関連死予防にも直結
・防災は“動ける身体”づくりから始まる
防災バッグを増やす前に、
動ける体を育てる。
それが本質的な備えです。
【出典】
内閣府「防災教育・防災訓練の推進に関する資料」

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