防災気象情報は来年5月から、よりシンプルな形に変わります。
名称は整理され、警戒レベルと行動の関係も明確になります。
しかし、防災士として現場に立つと、
「その情報は高齢者に本当に伝わるのか?」
という疑問が強く残ります。
■① 高齢者ほど情報が多いほど混乱する
高齢者は決して理解力が低いわけではありません。
ただし、防災情報には特徴があります。
・専門用語が多い
・変更が頻繁
・テレビごとに表現が違う
この環境では、
「前と何が違うのか分からない」
という状態に陥りやすくなります。
■② 「新しくなった」こと自体が壁になる
制度を改める側は、
「より分かりやすくなった」
と説明します。
しかし高齢者の多くは、
「また変わったのか」
と感じるのが現実です。
変化そのものが不安を生み、
理解する前に思考を止めてしまいます。
■③ テレビだけでは行動につながらない
高齢者の情報源は、
・テレビ
・ラジオ
が中心です。
しかし災害時のテレビは、
情報が一気に流れます。
・警報
・解説
・速報
・被害映像
結果として、
「何をすればいいか」だけが抜け落ちます。
■④ 言葉より“人”が必要
高齢者にとって最も安心できるのは、
顔の見える人からの声です。
・近所の人
・自治会役員
・民生委員
・家族
「避難してください」という一言が、
テレビの何倍もの力を持ちます。
■⑤ 情報の問題ではなく“伝達の問題”
防災気象情報が複雑なのではありません。
問題は、
・誰が
・どの言葉で
・どのタイミングで
伝えるかです。
同じ内容でも、
伝え方次第で行動は大きく変わります。
■⑥ 高齢者は「自分は対象外」と思いやすい
多くの高齢者は、
「若い人が先に避難すればいい」
「自分は迷惑をかけたくない」
と考えがちです。
この心理が、
避難の遅れにつながります。
情報だけでは、
この遠慮の壁は越えられません。
■⑦ 自律型避難を支える“支援型理解”
自律型避難は、
「一人で判断しろ」
という意味ではありません。
・理解を助ける
・背中を押す
・一緒に動く
こうした支援があってこそ、
高齢者も自律的に行動できます。
■⑧ 日常の会話が命を守る
災害時だけ伝えようとしても遅いのです。
・普段から防災の話をする
・避難所まで一緒に歩く
・寒い時期の想定を話す
日常の積み重ねが、
非常時の行動につながります。
■まとめ|情報を変えるだけでは命は守れない
防災気象情報がどれだけ整理されても、
それが高齢者の行動につながらなければ意味はありません。
本当に必要なのは、情報を「翻訳」し「つなぐ人」です。
防災士として感じるのは、
制度よりも、人と人の関係こそが
高齢者の命を守る最大の防災対策だということです。

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