日本は、防災技術も制度も世界トップクラスです。
それにもかかわらず、災害による人的・生活被害は思うように減っていません。
この矛盾の背景には、「教育の在り方」が深く関係しています。
この記事では、防災士の視点から、被害が減らない日本の構造的要因としての教育の弊害を整理します。
■① 知識は増えたが、行動は変わっていない
日本では、
・防災知識
・避難方法
・ハザードマップ
は広く普及しています。
しかし実際には、
・避難が遅れる
・逃げ遅れが出る
・判断を誤る
ケースが後を絶ちません。
知識の量と行動の質が一致していないのが現実です。
■② 教育は「覚える防災」で止まっている
学校教育では、
・正しい行動を覚える
・決められた手順を守る
・一斉行動を取る
ことが重視されます。
これは管理面では有効ですが、
想定外に対応する力は育ちにくい構造です。
■③ 防災士から見て多かった教育由来の行動停止
現場で多かったのは、
・知っているのに動けない
・想定と違って固まる
・指示がないと判断できない
これは意識の低さではなく、
教育で身についた「正解待ち思考」の結果でした。
■④ 日本の教育は「失敗を極端に恐れさせる」
義務教育では、
・間違いは減点
・失敗は恥
・空振りは無駄
という価値観が刷り込まれがちです。
しかし防災では、
・早すぎる避難
・結果的に何も起きなかった行動
こそが命を守ります。
この価値観のズレが、被害を拡大させています。
■⑤ 行政・教育現場が言いにくい本音
教育や行政は、
・統一行動の安全性
・責任の所在
・管理のしやすさ
を優先せざるを得ません。
しかし本音では、
「最終的には個人が判断して動けなければ守れない」と分かっています。
■⑥ 自律型避難を阻む教育構造
日本の教育構造は、
・指示依存
・前例重視
・空気を読む
行動様式を強化します。
これが、自律型避難を実行しようとする場面で、
強いブレーキになります。
■⑦ 被害を減らすために必要な教育の転換
防災の観点では、
・正解を覚える教育
から
・判断を鍛える教育
への転換が必要です。
・答えのない問いを考える
・行動した判断を評価する
・修正できたことを肯定する
これが、防災力を底上げします。
■⑧ 教育が変わらなければ被害は減らない
どれだけ制度や設備を整えても、
・動けない
・決められない
・責任を取れない
国民が多ければ、被害は減りません。
防災の最終装置は、人の判断力です。
■まとめ|被害が減らない原因は教育の中にある
日本の被害が減らないのは、
災害が多いからだけではありません。
人の行動を形づくる教育構造にも原因があります。
結論:
防災の観点では、日本で被害が減らない最大の要因の一つは、「覚えること」で止まり「考えて動く力」を育ててこなかった教育の弊害にある。
防災士として現場を見てきた中で、
知識よりも「自分で判断し、早く動けた人」ほど、被害を避け、周囲を助ける側に回っていました。
被害を減らす鍵は、設備ではなく教育にあります。

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