【防災士が解説】防災×林野火災|30年に一度の少雨が招く“人為火災リスク”にどう備えるか

近年、地震や豪雨だけでなく、林野火災が新たな脅威として顕在化しています。
2026年1月、気象庁などは関東甲信地方において「30年に一度のレベルの少雨」が続いているとして、林野火災への厳重な注意を呼びかけました。

注目すべきは、火災の多くが人為的要因で発生しているという点です。


■① 少雨と林野火災の危険な関係

林野火災は、以下の条件が重なることで一気に拡大します。

  • 長期間の少雨による乾燥
  • 落ち葉・下草の水分低下
  • 強風による延焼スピードの加速

今回の関東甲信地方では、昨年11月以降、降水量が著しく少なく、山林全体が「燃えやすい状態」に置かれています。


■② 林野火災の多くは“自然発火”ではない

消防庁の会見でも強調されたのが、人為的要因による火災の多さです。

具体的には、

  • たき火
  • 野焼き
  • タバコの不始末
  • 火の粉が残ったままの消火不十分

といった、日常の行動が引き金になるケースが後を絶ちません。


■③ 一度広がると止めにくいのが林野火災

林野火災の怖さは、初期消火の難しさにあります。

  • 消防車が近づけない
  • 水利が限られる
  • 風向き次第で急激に拡大

実際、山梨県の扇山で発生した山林火災も、少雨の影響により大規模化したと説明されています。


■④ 「使わない」が最大の防災行動

乾燥・強風時における最大の対策は、屋外で火を使わないことです。

どうしても使用する場合でも、

  • 周囲に燃えやすいものがないか確認
  • 風が強い日は中止
  • 完全に消火するまでその場を離れない

この基本行動が、被害を未然に防ぎます。


■⑤ 林野火災は“生活被害”にも直結する

林野火災は山の問題だけではありません。

  • 集落への延焼
  • 停電・通信障害
  • 道路寸断による孤立

被災地派遣の現場でも、火災による二次被害が生活を一気に不安定にするケースを何度も見てきました。


■⑥ 防災は「気象情報を行動に変える力」

今回のような少雨情報や注意喚起は、知るだけでは意味がありません。

  • 屋外作業を控える
  • 火を使う予定を変更する
  • 周囲にも注意喚起する

こうした一段先の行動が、防災です。


■⑦ 地域全体で意識をそろえる重要性

林野火災は、一人の油断が地域全体の被害につながります。

  • 自治会・地区での注意喚起
  • 高齢者や子どもへの声かけ
  • 「少雨の年は火を使わない」という共通認識

地域ぐるみの防災意識が、被害を防ぐ最大の力になります。


■⑧ 防災士として伝えたい結論

林野火災は、
「防げたはずの災害」になりやすい災害です。

30年に一度の少雨という条件下では、
「いつも通り」は通用しません。

火を使わない。
火を残さない。
火を甘く見ない。

この3つを徹底することが、命と地域を守る最も確実な防災行動です。

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