防災の現場で、何度も耳にする言葉があります。
「それは間違っている」
「正しくはこうすべきだ」
一見もっともらしい“正論”ですが、実は防災において最も危険な落とし穴でもあります。
正論を振りかざした瞬間、人は動かなくなるのです。
■① 防災の正論は「人を守るため」のもの
防災の正論は、本来、命を守るためにあります。
しかし伝え方を誤ると、正論は人を責める刃になります。
■② 正論は相手の行動を否定しやすい
「なぜ車で避難したのか」
「なぜ備えていなかったのか」
正論は過去の行動を否定しやすく、人の心を閉ざします。
■③ 災害時、人は正論どおり動けない
恐怖、混乱、時間不足。
災害時は、冷静に正解を選べる状態ではありません。
その現実を無視した正論は、現場では通用しません。
■④ 正論は“安心感”を奪うことがある
「間違えたら責められる」
そう感じた瞬間、人は判断を放棄します。
結果として、動かないことが最も危険になります。
■⑤ 防災は正解探しではなく選択の連続
災害には一つの正解はありません。
その場で考え、選び、修正する。
防災とは“柔軟な選択力”です。
■⑥ 正論よりも「次どうするか」
過去を責めるより、
「次はどう動くか」を一緒に考える。
これが行動につながる防災です。
■⑦ 寄り添う言葉が行動を生む
「怖かったですよね」
「迷いますよね」
共感の一言が、人の心を開きます。
そこから初めて、防災の話が届きます。
■⑧ 防災士の役割は“裁く人”ではない
防災士は正解を押し付ける存在ではありません。
考える材料を渡し、
自分で選べるよう支える存在です。
■まとめ|正論を超えた防災へ
防災で必要なのは、正論の正しさではありません。
結論:
防災は正論を振りかざした瞬間に、人を遠ざける
防災士として現場を見てきて思うのは、
命を守ったのは“正論を知っていた人”ではなく、
“迷いながらも考えて動けた人”でした。
これからの防災は、正しさを語る防災から、
行動を引き出す防災へ変わる必要があります。

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