寒い夜、布団に入れた湯たんぽのぬくもりは安心感があります。
しかし、その「心地よさ」が、
重症の低温やけどにつながるケースが報告されています。
場合によっては、
皮膚の深部まで損傷し、
植皮手術が必要になることもあります。
今回は、防災の視点から
湯たんぽの正しい使い方を整理します。
■① 低温やけどとは何か
低温やけどは、
それほど高温ではない温度に
長時間触れ続けることで起こります。
目安となる発症時間は以下の通りです。
・44℃:3〜4時間
・46℃:30分〜1時間
・50℃:2〜3分
「少し熱めのお風呂」程度の温度でも、
長時間触れていれば危険です。
■② なぜ気づきにくいのか
低温やけどの怖さは、
・見た目の変化が少ない
・痛みが弱い
・違和感が小さい
という点です。
気づいた時には
皮膚の深部まで損傷していることがあります。
■③ 布団に入れっぱなしはNG
最も多い事故は、
「布団の中に入れたまま寝てしまう」
ケースです。
厚手のカバーやタオルで包んでいても、
同じ部位に長時間触れれば危険です。
寝る前に布団を温め、
就寝時には取り出す。
これが基本です。
■④ 正しい使い方のポイント
・就寝前に温め、寝る前に取り出す
・同じ部位を長時間温めない
・違和感や熱さを感じたら使用中止
・高齢者や子どもには特に注意
電気あんかの場合は、
必ずスイッチを切ること。
■⑤ 実際に多かった誤解
防災士として現場で多かった誤解は、
「カバーをしているから安全」
という思い込みです。
低温やけどは
温度より“時間”が問題です。
「直接触れていない」だけでは
安心できません。
■⑥ 災害時こそリスクが高まる
停電時や避難生活では、
湯たんぽやあんかが重宝されます。
しかし、
・疲労で感覚が鈍る
・寒さで温度を上げがち
・寝落ちしやすい
といった状況が重なります。
非常時ほど、
使用ルールを徹底する必要があります。
■⑦ 今日できる安全対策
・タイマーを使う
・スマホアラームを設定する
・就寝前に必ず取り出す習慣を作る
・家族にも使い方を共有する
備えは道具だけではありません。
「使い方」も備えです。
■⑧ 暖を取る別の選択肢
・重ね着
・断熱マット
・毛布の追加
・避難服(スウェットなど)の活用
特別な防災専用品を買う必要はありません。
普段着をローリングストックする考え方も、
寒さ対策として有効です。
■まとめ|安全な暖の取り方が命を守る
湯たんぽは、
正しく使えば安全で有効な防寒具です。
しかし、
使い方を誤ると深刻な事故になります。
結論:
「温かい=安全」ではない。時間管理こそ最大の防御。
防災士としてお伝えします。
寒さ対策は重要です。
ですが、
“心地よさに任せない冷静さ”が
本当の防災です。
■出典
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
https://www.nite.go.jp/

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