大規模災害では、直接の被害だけでなく、発災後に亡くなる「災害関連死」が深刻な課題となります。
近年、この災害関連死を「大幅に減らす鍵」として注目されているのが、人と人・制度・地域をつなぐ支援です。
■① 災害関連死とは何か
災害関連死とは、地震や豪雨などによる直接死ではなく、
・避難生活の長期化
・持病の悪化
・低体温症、脱水、栄養不足
・精神的ストレスや孤立
などが原因で、発災後に亡くなるケースを指します。
特に高齢者、障害のある人、持病を抱える人ほどリスクが高くなります。
■② 「孤立」が最大のリスクになる
多くの事例を振り返ると、災害関連死の背景には共通点があります。
・誰にも相談できなかった
・体調悪化に気づかれなかった
・支援制度を知らなかった
・助けを求めることをためらった
つまり、情報や人とのつながりが断たれた状態が、命を奪っているのです。
■③ つながることで何が変わるのか
一方で、近年の災害対応では、
・避難所での声かけ
・在宅避難者の把握
・医療・福祉との早期連携
・地域やボランティアとの継続的接触
が意識的に行われた地域ほど、
災害関連死が抑えられる傾向が見られています。
「見守られている」「忘れられていない」
この感覚そのものが、体調と判断力を守ります。
■④ 遠方避難・分散避難も「つながり」の一形態
被災地にとどまることだけが支援ではありません。
・通常ライフラインがある地域への遠方避難
・親族・知人宅への分散避難
・公的な移送による一時的な生活移行
これらは、生活機能と社会との接点を保つ手段です。
結果として、
・睡眠
・栄養
・医療アクセス
・精神的安定
が回復し、災害関連死のリスクが下がります。
■⑤ 「支援がある」のではなく「つながり続ける」
重要なのは、一度きりの支援ではありません。
・定期的な安否確認
・継続的な声かけ
・状況変化に応じた支援の切り替え
こうしたつながりの継続が、
「まだ大丈夫」という思い込みや我慢を防ぎます。
■⑥ 防災の本質は「命を守り続けること」
防災は、発災直後だけの話ではありません。
・1週間
・1か月
・半年
と時間が経つほど、
人との関係性が命を左右する割合は高まります。
■⑦ 災害関連死を減らす防災の視点
災害関連死の大幅減少につながるのは、
・つながる
・離れすぎない
・孤立させない
という、極めて人間的な防災です。
避難所、在宅、遠方避難。
どの形であっても、
誰かとつながっている状態を保つことが、最大の命綱になります。
■まとめ|「つながり」は最強の減災策
災害関連死は、完全には防げないかもしれません。
しかし、
・つながり
・見守り
・選択肢
を用意することで、大幅に減らすことは可能です。
「支援が届くか」ではなく、
「人と人が切れずにつながっているか」。
それこそが、
これからの防災が目指すべき核心です。
出典
内閣府 防災白書(災害関連死・避難生活に関する記載)

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