政府が掲げる「責任ある積極財政」は、
物価対策・賃上げ・エネルギー安全保障・国土強靱化など
暮らしと安全に直結する政策が多く含まれています。
しかし一方で、
国の財政悪化への懸念から長期金利が上昇し、
家計にじわじわ負担がかかる“金融リスク”も広がっています。
今回は、防災士の視点から
「積極財政は家庭の防災力にどう影響するのか?」
を分かりやすく解説します。
■① 高市政権の「責任ある積極財政」とは何か
高市氏の方針は、
政府支出を増やしながら長期的な成長と税収増を狙うというもの。
主な柱は以下の通り。
- 物価高対策と賃上げ支援
- 危機管理投資(食料・エネルギー・医療・国土強靭化)
- 官民での成長投資
- 家計の負担軽減(減税・光熱費対策など)
「財政出動で成長をつくり、税率を上げずに税収を増やす」
という考え方がベースになっています。
■② 危機管理投資は“防災”と直接つながる
積極財政の中核には「危機管理投資」があります。
対象は以下の分野。
- 経済安全保障
- 食料安全保障
- エネルギー安全保障
- 医療・健康
- 国土強靱化(耐震・防災インフラ)
これは防災士として非常に重要で、
国が防災インフラに投資するほど、災害被害は確実に減る からです。
■③ 家計支援策(減税・給付)は防災力にも影響する
積極財政の大きな柱は「負担軽減」。
具体的には、
- ガソリン税・軽油引取税の暫定税率廃止
- 光熱費負担軽減
- 所得税減税+給付
- 子育て支援給付
- 年収の壁の引き上げ
これらは家計に余裕を生みます。
家計に余力が生まれると、
- 備蓄を揃えられる
- 防災用品を無理なく購入できる
- 保険の見直しが進む
という形で「家庭の防災力」も自然と高まります。
■④ 大型経済対策の規模と狙い
20兆円超(国費ベース)の経済対策には、
- 地方交付金
- 電気・ガス料金負担軽減
- 燃料税の負担軽減
- 子育て支援給付
などが含まれ、生活の安定を最優先とした構成となっています。
生活の安定はそのまま防災の基盤です。
日常が不安定だと、災害時の備えは進みません。
■⑤ 市場が懸念するポイント:財政悪化と金利上昇
専門家からは次の懸念が出ています。
- 成長と税収増で財政健全化するのは現実的に難しい
- 財政赤字拡大 → 国債価格の下落 → 長期金利上昇
- 円安リスクやインフレ圧力の継続
特に金利上昇は、
- 住宅ローン
- 物価
- 保険料
- 中小企業のコスト
に影響し、家計の防災余力を削ります。
■⑥ 防災士が見る「積極財政のメリット」
防災の専門家として、積極財政には大きな利点があります。
✔ 国土強靱化が進む
堤防・橋梁・耐震補強が進むことで、
災害そのものの被害が減る。
✔ エネルギー・食料安全保障が強化
停電・物流停止のリスクが下がる。
✔ 医療体制が強化
災害医療対応が迅速になる。
国が「安全」に投資するほど、
国民の命を守る力が上がります。
■⑦ 一方でのデメリット:家計への“負担増”
積極財政の副作用として、
- 財政悪化
- 国債増発
- 長期金利上昇
- 物価高の長期化
が起きやすくなります。
家計負担が増えれば、
- 備蓄費用を削る
- 保険料を節約する
- 災害対策の後回し
といった状況になり、
結果として防災力が下がります。
■⑧ 積極財政の時代に家庭が備えるべきこと
防災士として推奨するのは以下の8項目。
✔① 生活防衛資金の確保
金利上昇×災害時の収入減リスクに備える。
✔② 住宅ローンの金利タイプを点検
変動金利は特に注意。
✔③ 物価高に負けない買い方(ローリングストック)
安い時期に備蓄を回していく。
✔④ 火災保険・地震保険の見直し
災害多発時代は絶対に必要。
✔⑤ エネルギー対策(非常電源)
電気料金上昇も見据え、ポータブル電源等の検討を。
✔⑥ 家計の固定費削減
物価高時代は固定費の削減が最大の防災。
✔⑦ 食料・水・簡易トイレの確保
家計に余力があるうちに揃える。
✔⑧ 車中泊避難の準備
災害時に宿泊コストを抑える手段にもなる。
■まとめ|国の財政方針は“家計防災”に直結する
積極財政は、
国土強靱化や安全保障の強化という大きなメリットがある一方、
長期金利上昇や財政悪化による家計負担を伴います。
結論:
積極財政の恩恵(安全強化)を受けつつ、金利上昇・物価高に備えて家計防災を強化することが、これからの家庭に必要な姿勢です。
防災士として、
災害で最も困るのは「お金の余裕がない家庭」であることを何度も見てきました。
政策に左右される部分は多いですが、
家庭レベルでの備えが最も直接的な“防災力”になります。

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