春は新生活の始まりであると同時に、花粉症に悩む人にとって最もつらい季節です。
もしこの時期に地震や火災、水害が発生したらどうなるでしょうか。
避難所でくしゃみが止まらない、目が開けられない、鼻づまりで眠れない――。
これは想像以上に体力と判断力を奪います。
今回は、花粉症を持つ人が春に備えるべき防災対策を整理します。
■① なぜ花粉症対策が“命綱”になるのか
花粉症は単なる不快症状ではありません。
・鼻づまりによる睡眠不足
・くしゃみによる体力消耗
・目のかゆみによる集中力低下
災害時はもともとストレス環境です。
そこに花粉症症状が加わると、判断力と体力が一気に落ちます。
特に避難所では空気清浄環境が整わない場合もあり、症状が悪化しやすいのです。
■② マスクは「多め」が正解
春の防災ではマスクは必須です。
・不織布マスク(複数日分)
・密閉できるジップ袋で保管
・濡れ・破損を想定した予備
感染症対策だけでなく、花粉・粉じん対策にもなります。
避難時は落下物や粉じんも多く、呼吸器を守る意味でも有効です。
■③ 目薬・内服薬は1週間分を目安に
防災備蓄の基本は「最低3日、できれば7日」です。
・抗ヒスタミン薬
・点眼薬
・点鼻薬
特に点眼薬は忘れがちですが、目のかゆみは想像以上にストレスになります。
薬は普段使っているものをローリングストックするのが現実的です。
■④ 避難所での花粉対策の工夫
避難所では以下を意識します。
・入口付近を避ける(花粉・ほこりが入りやすい)
・洗顔・洗眼を意識する
・衣類の花粉をはたいてから入室
実際に被災地支援に関わった際も、アレルギー症状が強い方は睡眠不足に陥りやすい傾向がありました。
体力が落ちると、復旧行動にも影響が出ます。
「花粉症だから仕方ない」と軽視しないことが大切です。
■⑤ 花粉シーズンの“避難服”という考え方
防災専用品を買い足す必要はありません。
普段着ているスウェットや部屋着をローリングストックし、
花粉が付きにくく着脱しやすい服を一式まとめておきます。
避難所では快適さが心の安定につながります。
着替えは“尊厳を守る装備”です。
■⑥ よくある誤解
「避難所は屋内だから花粉は関係ない」
これは誤解です。
換気や人の出入りにより、屋内でも花粉や粉じんは入ります。
特に体育館型避難所は空間が広く、完全遮断は難しいのが実情です。
■⑦ 今日できる最小行動
・非常持ち出し袋にマスクを追加
・目薬を1本入れておく
・薬の残量を確認する
これだけでも十分前進です。
■⑧ 春防災は「体調管理」から始まる
災害時に強い人は、特別な装備を持つ人ではありません。
体調を崩さず、冷静でいられる人です。
花粉症対策は“自律型避難”の一部です。
自分の弱点を理解し、先回りして備えることが防災の本質です。
■まとめ|春はアレルギー対策も防災の一部
花粉症は軽視されがちですが、災害時には大きな負担になります。
マスク・目薬・内服薬を“防災セットの標準装備”にすることで、
春の災害にも落ち着いて対応できます。
結論:
花粉症対策は命を守る備えの一部である
防災士として現場を見てきた実感として、体調管理ができている人ほど冷静に行動できます。
小さな備えが、大きな安心につながります。
出典元:環境省「花粉症環境保健マニュアル」

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