【防災士が解説】防災×被害者意識|「自分だけが損をする」という思考の落とし穴

災害が起きると、
「なぜ自分の地域だけが」
「なぜ自分ばかりが大変な思いをするのか」
という感情が湧くことがあります。

それは自然な反応です。
しかし、防災の現場で見てきたのは、“被害者意識が強くなりすぎると判断が鈍る”という現実でした。

今回は、防災と被害者意識の関係について整理します。


■① 被害者意識とは何か

被害者意識とは、「自分は不当に扱われている」という感情が強くなった状態です。

・支援が遅いのは自分の地域だけだ
・行政は自分たちを後回しにしている
・もっと優遇されるべきだ

不公平感はストレスを増幅させます。


■② 感情が判断を曇らせる瞬間

災害直後は情報が錯綜します。
その中で被害者意識が強まると、

・冷静に情報を整理できない
・他人と衝突しやすくなる
・本来必要な準備に集中できない

防災士として現場で見たのは、
怒りや不満に時間を使うほど、行動が遅れるという傾向でした。


■③ 被災地派遣で感じたこと

LOとして現場調整に入った際、
支援物資は優先順位に基づいて配分されます。

行政側が言いにくい本音として、
「すべてを同時に満たすことは不可能」という制約があります。

被害者意識が強くなると、この現実を受け入れにくくなります。
しかし現実を直視しなければ、次の行動は決められません。


■④ 被害者意識が続くとどうなるか

・他人を信用できなくなる
・地域内で対立が起きる
・情報を疑いすぎて行動が止まる

災害時に最も危険なのは孤立です。
孤立は、被害を拡大させます。


■⑤ 自律型避難の視点

被害者意識の対極にあるのが「自律型避難」です。

・今できることを確認する
・家族と役割を決める
・不足分を冷静に補う

自分でコントロールできる部分に集中することが、防災力を高めます。


■⑥ 現場で見た“強い人”

被災地で印象に残っているのは、
不満を言わない人ではなく、
不満を抱えながらも淡々と準備を続けていた人です。

その人たちは周囲を落ち着かせる存在になっていました。


■⑦ 被害者意識を減らす習慣

・情報を複数確認する
・感情的な投稿を鵜呑みにしない
・「今、自分ができること」を紙に書く

感情と行動を分けることが大切です。


■⑧ 防災は協力の力

地域防災は「助け合い」で成り立ちます。
被害者意識が強くなると、その輪が崩れやすくなります。

冷静さは、防災資源の一つです。


■まとめ|感情を整えることも備え

災害は理不尽です。
だからこそ、感情が揺れるのは自然です。

結論:
被害者意識に支配されるより、「今できる行動」に集中する人が命を守ります。

防災士として現場で確信しているのは、
冷静さを保てた人ほど、家族を守り、周囲を支える側に回れたという事実です。
感情を整えることも、防災の一部です。

出典:内閣府 防災情報のページ

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