防災というと、物資の備蓄や避難経路の確認が思い浮かびます。
しかし近年、もう一つ重要な備えとして注目されているのが「記録」と「振り返り」です。
今回は、日記という行為をAIで拡張し、過去の自分と対話できるAI日記アプリの考え方を、防災の視点から整理します。
■① 防災における「記録」の重要性
災害時、人は強いストレス下に置かれます。
その中で、
- 何に不安を感じやすいか
- どんな判断を後悔しやすいか
- どの行動が自分を落ち着かせたか
といった“自分の傾向”を把握しているかどうかは、判断の質に直結します。
防災は物理的な備えだけでなく、「自分を知る備え」でもあります。
■② 日記からAIが学ぶという発想
AI日記アプリ「askmate」は、日々の出来事や感情を記録することで、その人自身の思考や感情の傾向をAIが学習し、コメントとして返してくれる仕組みです。
これは単なる記録ではなく、
- 過去の自分の視点で今の自分を見る
- 感情や思考を客観視する
という“メタ認知”を促す仕組みと言えます。
■③ 災害時に役立つ「メタ認知力」
災害時に多い失敗の一つが、
「自分は冷静に判断できるはず」という過信です。
実際には、
- 不安が強いと行動が遅れる
- 情報を集めすぎて動けなくなる
- 周囲に合わせてしまう
といった傾向は、人によって大きく異なります。
日記を通じて自分の反応パターンを知っておくことは、
非常時の“判断ミスを減らす備え”になります。
■④ 日常の記録が非常時の判断材料になる
askmateのような仕組みでは、
- 日々の頑張り
- うまくいかなかった経験
- 小さな達成感
が蓄積され、要約や振り返りが可能になります。
これは、防災の文脈で言えば、
- 被災後の心の回復
- 長期避難時のメンタル維持
- 「自分は乗り越えてきた」という実感
を支える材料になります。
■⑤ LINEで続けられるという現実性
防災の備えは「続かない」と意味がありません。
LINEという日常的なツールで、
- 思いついたときに書ける
- 特別な操作がいらない
という点は、防災的にも重要です。
続く習慣は、そのまま「生き残る力」につながります。
■⑥ 防災とAIの意外な接点
AIというと最先端技術の印象がありますが、
ここで使われているのは「判断を代替するAI」ではありません。
- 判断を助ける
- 自分を振り返らせる
- 思考を整理する
あくまで“補助輪”としてのAIです。
これは、防災における正しいAIの使い方の一例と言えます。
■⑦ 防災士の視点から
防災は「準備した人」よりも「自分を理解している人」が強い場面があります。
- 何を書くと気持ちが落ち着くか
- どんな言葉が自分を前向きにするか
- どんな状況で判断が鈍るか
日記は、それらを静かに教えてくれるツールです。
AI日記は、防災グッズではありません。
しかし、「心が壊れない備え」という意味では、
これからの防災に自然に組み込まれていく選択肢の一つだと感じます。

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