災害時に必ず目にする「警戒レベル」。
しかし実際には、その意味を正しく理解し、
行動に移せている人は多くありません。
「レベル4が出たら逃げればいい」
そう思っているなら、すでに危険です。
■① 警戒レベルは“判断材料”ではなく“行動基準”
警戒レベルは、本来こう使うものです。
・レベルを見て考える
ではなく
・レベルが出たら、決めていた行動を実行する
つまり警戒レベルは、
その場で考えるための情報ではありません。
■② なぜ「考えているうちに逃げ遅れる」のか
多くの被災事例で共通しているのが、
次のような心理です。
「まだ大丈夫そう」
「周りは逃げていない」
「もう少し様子を見よう」
この“正常性バイアス”が働く時間を、
警戒レベルは短縮するために存在します。
■③ 実際に起きた逃げ遅れの事例
豪雨災害では、
警戒レベル4が出ていたにもかかわらず、
・家族で話し合っているうちに浸水
・車で移動しようとして立ち往生
・夜間で避難を断念
といったケースが後を絶ちません。
問題は情報ではなく、
行動を事前に決めていなかったことです。
■④ レベルごとに「やること」を決めておく
理想は、こうです。
・レベル3:避難準備を完了する
・レベル4:何も考えず避難開始
・レベル5:その場で命を守る行動
「どうしよう」と考える余地を残さない。
これが生存率を上げます。
■⑤ 自律型避難に必要なのは“即断力”
自律型避難とは、
勝手に動くことではありません。
・正しい情報を
・正しく受け取り
・事前の判断基準どおりに動く
これができる人ほど、
災害時に冷静です。
■⑥ 指示待ちの危険性
「避難指示が出たら動く」
「周囲が動いたら動く」
これは一見安全そうですが、
現実には最も危険な行動です。
理由は単純で、
指示は常に“遅れて”届くからです。
■⑦ 家庭・職場で今すぐできること
今日からできる準備は難しくありません。
・警戒レベルごとの行動を紙に書く
・家族や同僚と共有する
・年に1回は見直す
これだけで、
災害時の迷いは激減します。
■⑧ 防災の本質は「決断の前倒し」
防災とは、
被害をゼロにすることではありません。
迷う時間を減らすことです。
警戒レベルを理解するとは、
数字を覚えることではなく、
行動を決め切ること。
■まとめ|警戒レベルは“命のスイッチ”
警戒レベルは、
「危ないかどうか」を知らせるものではありません。
「今すぐ動け」という合図です。
その合図を見た瞬間、
体が勝手に動く状態をつくること。
それこそが、
防災士として伝えたい
最も現実的な防災です。

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