「電話」は長年、当たり前に使われてきたインフラです。
しかし、災害対応や事業継続(BCP)の視点で見ると、電話やPBXを単なる運用設備として放置することは、大きなリスクにもなり得ます。
働き方の変化やAI活用が進む今、コミュニケーション基盤そのものが“防災力・継続力”を左右する時代に入っています。
■① 災害時に真っ先に問われるのは「連絡が取れるか」
大規模災害が発生した際、最初に問題になるのは次の点です。
・安否確認ができない
・指示系統が混乱する
・現場と本部がつながらない
これは通信手段が「平常時前提」で設計されている場合に起こりやすい典型例です。
電話やPBXは、防災の最前線に立つインフラでもあります。
■② 電話・PBXを「IT戦略」として捉える防災的意義
電話は音声通信にとどまらず、現在では以下の役割を担います。
・社内外の即時連絡
・緊急時の指揮命令
・在宅勤務や分散拠点での統制
これらを支える通信基盤をIT戦略の一部として設計することは、そのまま災害対応力の強化につながります。
■③ オンプレミスPBXが抱える災害リスク
従来型のオンプレミスPBXは、次の弱点を持ちます。
・設置拠点が被災すると機能停止
・保守要員が現地に行けない
・老朽化による障害対応の遅れ
災害時ほど「現地に行かないと直せない仕組み」は致命的になります。
■④ 大規模組織の通信改革が示す防災のヒント
国内最大規模の組織が実践した、数万人規模のコミュニケーション基盤改革は、防災面でも重要な示唆を与えています。
・拠点に依存しない通信設計
・統一された連絡基盤
・障害時の切り替えを前提とした構造
これはBCP対策そのものであり、「平常時の効率化」と「非常時の強さ」を同時に実現する考え方です。
■⑤ 防災視点で見る「クライアントゼロ」という考え方
自らを“最初の利用者”として検証し、課題を洗い出す考え方は、防災分野と非常に相性が良いです。
・実際の災害を想定して動かす
・机上の空論で終わらせない
・失敗を前提に改善する
防災計画と同様、使って初めて見える弱点があります。
■⑥ AI活用と災害対応の接点
将来を見据えた通信基盤は、AIとの連携も重要になります。
・災害時の問い合わせ対応
・安否確認の自動化
・情報整理と優先順位付け
AIは人手不足が顕在化する災害時に、現場の負担を大きく減らす可能性を持っています。
■⑦ 通信基盤の見直しは「防災投資」でもある
PBXのリプレイスや通信改革は、単なるコスト削減ではありません。
・事業継続
・人命安全
・社会的信用の維持
これらを守るための防災投資という視点が不可欠です。
■⑧ 防災×通信の本質は「つながり続ける設計」
災害は「想定外」を突いてきます。
だからこそ重要なのは、
・場所に依存しない
・人に依存しない
・復旧を前提にした設計
通信基盤を見直すことは、防災力を一段引き上げることと同義です。
平常時に当たり前に使っている「電話」を、ぜひ防災の視点で見直してみてください。

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