災害時、人は必ずしも「強く」いられるわけではありません。
環境の急激な変化、先の見えない不安、人間関係のストレス。
その中で心が限界を迎えることがあります。
防災の視点から見ても、適応障害は決して他人事ではありません。
■① 防災と適応障害は無関係ではない
適応障害とは、
大きな環境変化や強いストレスに心が適応できず、
日常生活に支障が出る状態です。
災害は、
・住む場所の変化
・仕事や学校の中断
・人間関係の変化
これらが一気に重なる出来事です。
■② 災害後に起こりやすい心の不調
災害後、次のような状態が見られることがあります。
・眠れない
・不安が強い
・やる気が出ない
・人と関わりたくない
これらは「弱さ」ではなく、
環境に心が追いついていないサインです。
■③ 避難所生活は心に負荷がかかる
避難所では、
・プライバシーがない
・音や光が多い
・人間関係のストレス
が重なります。
心が適応できない人が出るのは、自然なことです。
■④ 適応障害は「我慢」で解決しない
「みんな大変だから」
「自分だけ弱音を吐けない」
こうした我慢が、症状を悪化させます。
防災では、
我慢よりも調整が必要です。
■⑤ 自律型避難と心のケア
自律型避難は、
物理的な自立だけでなく、
心の負担を減らす工夫も含まれます。
・安心できる居場所を確保する
・無理に役割を背負わせない
・一人になれる時間をつくる
これも立派な防災です。
■⑥ 周囲ができる大切な配慮
適応障害の兆しがある人に対して、
・励ましすぎない
・正論を押し付けない
・話を聞く姿勢を持つ
これだけで、心は大きく救われます。
■⑦ 防災教育に必要な「心の視点」
防災教育は、
行動や知識だけで完結しません。
・心が追いつかない人もいる
・休むことも選択肢
・助けを求めていい
この視点を共有することが重要です。
■⑧ 心が回復してこそ行動できる
心が壊れた状態では、
判断も行動もできません。
心の安全確保は、
命を守る行動の前提条件です。
■まとめ|防災は心も守る取り組み
災害は、体だけでなく心も揺さぶります。
結論:
防災で守るべき命には、心の健康も含まれます。
防災士として現場を見てきて、
本当に必要だったのは「もっと休んでいい」という一言でした。
防災とは、
強くなることではなく、壊れない工夫をすることです。

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