避難所のトイレは、災害時に必ず問題になるにもかかわらず、後回しにされやすい分野です。
近年、この課題に対して注目されているのが、トイレを「楽しい」「前向き」な存在に変える発想です。
楽しいトイレは娯楽ではありません。
防災意識を高め、ストレスを軽減し、結果的に健康被害を防ぐための実践的な工夫です。
■① なぜ避難所トイレは「つらい場所」になりやすいのか
避難所トイレでは、次のような問題が重なりがちです。
・数が足りない
・汚れやすい
・臭いが気になる
・恥ずかしさや気まずさがある
利用者の約6割が「トイレ不足」を課題として挙げており、
我慢や水分制限による体調悪化が各地で報告されています。
■② 「楽しいトイレ」という発想が注目される理由
人は不安や嫌悪感のある場所を無意識に避けます。
逆に、少しでも安心感や楽しさがあると行動のハードルが下がることが分かっています。
・トイレを我慢しなくなる
・清潔に使おうという意識が高まる
・避難所全体の空気が和らぐ
これは心理面から見た、極めて合理的な防災対策です。
■③ アートで備える「アート防災トイレ」という考え方
注目されているのが、アートを防災に取り入れる取り組みです。
「sonae 備絵」プロジェクトでは、
災害用簡易トイレ30回分を絵画の額縁に収納し、
平時はインテリアとして飾れる設計になっています。
・日常では防災用品に見えない
・目に入ることで備えを思い出せる
・非常時は迷わず使える
いわゆる「フェーズフリー」の考え方を、視覚的に実現した例です。
■④ 避難所でも安心感を生むトイレの工夫
楽しい・使いやすいトイレには、共通点があります。
・家のトイレに近い見た目
・座りやすい構造
・臭いへの配慮
・「自分専用」に近い感覚
段ボール製で便座付きの簡易トイレや、
オガクズで脱臭するバイオトイレなどは、
「避難所でも安心して使える」という心理的効果を生みます。
■⑤ 楽しいトイレは衛生と秩序を守る
雰囲気が良いトイレでは、行動も変わります。
・汚さないように使う
・次の人を気遣う
・ルールが守られやすい
結果として、
トイレ渋滞・不衛生・トラブルの予防につながります。
■⑥ 防災意識を高める「見える備え」
アート防災トイレの本質は、
「防災を思い出させ続ける仕組み」にあります。
・しまい込まない
・見える場所にある
・話題になる
これにより、防災は特別なものではなく、
日常の延長として意識されるようになります。
■⑦ トイレは命と尊厳を守る場所
避難所のトイレは、単なる設備ではありません。
・健康を守る
・尊厳を守る
・心を守る
だからこそ、「楽しい」「安心できる」という要素は、
防災において決して軽視できない価値を持っています。
■まとめ|楽しいトイレは立派な防災対策
避難所トイレを楽しく、前向きにする工夫は、
・防災意識の向上
・ストレスの軽減
・衛生環境の改善
を同時に実現します。
トイレを変えることは、
避難所の空気そのものを変えることにつながります。
出典
sonae 備絵 公式プロジェクトサイト

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