【防災士が解説】防災×避難所トイレ|どうやったら「使いやすく」なるのか

避難所トイレの問題は、数や設備だけでは解決しません。
実際の被災地では「トイレはあるのに使われない」「我慢する人が続出する」という状況が繰り返されてきました。
使いやすさを決めるのは、設備・運営・心理の3つがそろっているかどうかです。


■① 使いやすさを下げている本当の原因

避難所トイレが使いにくくなる理由は明確です。

・暗い、寒い、遠い
・汚れている、臭いが気になる
・並び方や使い方が分からない
・人目や音が気になり恥ずかしい

これらが重なると、「使わない選択」をしてしまいます。


■② 物理面|まず最低限必要な環境整備

使いやすさの土台は、安心して使える環境です。

・夜間でも足元が見える照明
・風雨を防げる囲い
・男女別、配慮トイレの明確化
・定期的な清掃と消臭

「汚いから使いたくない」をなくすことが最優先です。


■③ 運営面|ルールが見えるだけで使いやすくなる

トイレ運営が不透明だと、不安が増します。

・使用ルールを掲示する
・並び方を床表示で示す
・清掃当番や時間帯を明確化
・消耗品の補充状況を見える化

「誰が管理しているか分かる」だけで、心理的安心感は大きく変わります。


■④ 心理面|“使っていい空気”をつくる

避難所で最も影響が大きいのが心理的ハードルです。

・排泄は我慢しなくていい
・遠慮せず使っていい
・誰でも使うのは当たり前

このメッセージを、掲示やアナウンスで繰り返し伝えることが重要です。


■⑤ 「恥ずかしい」を減らす具体策

恥ずかしさは環境で軽減できます。

・目隠しの工夫
・音や視線を遮る配置
・入口に人が滞留しない導線
・夜間も安心して行ける動線

特別な設備でなくても、配置と配慮で改善できます。


■⑥ 平時からの準備が使いやすさを左右する

災害時に突然改善することはできません。

・防災訓練でトイレ設営を体験
・学校や職場での事前説明
・家庭用簡易トイレの使い方共有

「知っている」だけで、使いやすさは一段上がります。


■⑦ 使いやすいトイレは健康を守る

トイレを我慢させないことは、

・脱水防止
・感染症予防
・エコノミークラス症候群対策

につながります。
避難所トイレは、命を守る医療インフラの一部です。


■まとめ|使いやすさは設計できる

避難所トイレは「仕方ないもの」ではありません。
設備・運営・心理を整えれば、確実に使いやすくなります。

使いやすいトイレは、
避難生活のストレスを減らし、健康被害を防ぎ、
結果的に避難所全体を安定させます。


出典

内閣府 防災情報のページ「避難所運営ガイドライン(トイレ対策)」

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