【防災士が解説】防災×避難所|災害ボランティアの事前登録制度と注意点

災害時に迅速かつ円滑な支援を行うため、政府は昨年7月に災害ボランティア団体の事前登録制度を開始しました。しかし、開始から半年経った現在、登録済みの団体は全国でわずか10団体にとどまっています。平時から官民連携を進める狙いがありますが、制度の運用に関して懸念も指摘されています。


■① 制度の概要

  • 「被災者援護協力団体」として、避難所運営や物資提供などの支援を担える民間団体を登録
  • 内閣府が過去の実績などを基に審査して登録の可否を決定
  • 登録団体情報は都道府県・市町村と共有し、内閣府のHPで公開
  • 大規模災害発生時、都道府県知事は登録団体に業務への「協力命令」を出すことが可能

■② 現状と課題

  • 登録団体は全国で10団体のみ(昨年10月・11月に計10団体追加)
  • 兵庫県内の登録団体はなし
  • 全国のボランティア団体数は約16万8千(分野問わず)
  • 登録が進まない理由として、制度への疑問や行政管理への懸念が指摘されている

■③ ボランティア現場の声

  • 「登録していないと被災地に行けないのでは」との風潮が生まれる可能性
  • 初めて参加する若者や新規団体の自主性を活かした支援が制度で制約される懸念
  • 行政の協力命令とボランティアの自主性が相いれない場合がある

■④ 専門家の見解

  • 神戸大 室崎名誉教授:登録審査により団体が政府管理下に置かれる恐れ
  • 関西学院大 関教授:事前登録制度はボランティアを労働力として捉え、被災者一人一人に寄り添う活動の特徴が失われる可能性

■⑤ 今後の対応

  • 内閣府は「登録していなくても従来通り被災地には駆けつけられる」と説明
  • 制度への理解を広めるため、説明活動を継続
  • 団体側は自主性と支援の柔軟性を維持することが重要

■まとめ

  • 災害ボランティア制度は平時からの支援体制を整える狙いがある
  • 登録は義務ではなく、従来通りの支援活動は可能
  • 自主性や被災者に寄り添う活動の重要性を念頭に、制度を理解したうえで活用することが求められる

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