【防災士が解説】防災×避難所×子どもの“食べられない問題”その3|避難生活が長期化したときの“心と食事”を守る方法

避難生活が1日、2日と続き、
3日目以降になると 子どもの食事トラブルはさらに深刻化 します。

私は避難所支援で、
「最初は食べていたのに、急に食べなくなった」
「好きな物でも口にしなくなった」
そんなケースを何度も見てきました。

避難の長期化は、子どもの体力だけでなく
“心の疲れ”を確実に奪っていきます。


■① 子どもの「心の疲れ」は3日目から急増する

避難初日は緊張によって一時的に食べられる子もいます。
しかし、2〜3日経つと以下の影響が現れます:

  • 睡眠不足
  • 生活リズムの乱れ
  • トイレの不安
  • 音・人・寒さのストレス
  • 親の疲れを敏感に感じ取る

これらが重なり、子どもの心が“SOS状態”に入り、
食欲が極端に落ちることがあります。


■② 避難所の食事は「大人向け」が中心

避難が長引いてくると、配布される食事はよりシンプルになります。

  • パン
  • おにぎり
  • 缶詰
  • 常温のおかず
  • 粉っぽい乾物
  • 冷たい食事

こうした食品は、子どもにとっては“食べづらいもの”が多く、
味・硬さ・温度のどれもが負担になります。

温かい物が出ない日が続く避難所もあり、
子どもの食欲はさらに低下します。


■③ “夜になると食べない”子が増える理由

避難所では夜間にストレスが増えます。

  • 暗い
  • 寒い
  • 周囲の生活音
  • 親の緊張
  • 将来への不安

日中よりも心理的負担が大きく、
「夜はまったく食べられない」というケースもあります。

現場でも、夕食を前に泣き出してしまう子をたくさん見ました。


■④ 温かい食べ物の効果は絶大

避難生活が長期化すると、
“温かい食事”が心身を落ち着かせる最大の要素 になります。

  • カップスープ
  • お湯で作れるリゾット
  • 子ども向けスープパスタ
  • 温めず食べられるミニおでん
  • 粉末のコーンスープ

温かい食べ物があるだけで、
子どもは安心して自分のペースを取り戻します。


■⑤ 避難所では“食べる場所”が子どものストレスになる

机がない
人が多い
周りに見られる
騒がしい

こうした環境が苦手な子も多く、
「場所がイヤで食べない」というケースも珍しくありません。

対策はとてもシンプルで:

  • 親の隣で落ち着ける場所を確保
  • 座布団やマットを敷いて安心できる空間をつくる
  • 人の少ない時間帯に食べる

これだけで食欲が戻ることがあります。


■⑥ 長期化すると栄養バランスの偏りが深刻化

おにぎり・パン・麺が中心の避難所では、
炭水化物に偏りがちです。

子どもは体が小さい分、栄養不足がすぐに体調不良に直結します。

そこで備蓄におすすめなのは:

  • フルーツゼリー
  • 野菜ミックスジュース
  • チーズやスティックタイプ乳製品
  • マルチビタミンゼリー
  • 子ども用プロテインバー

「子どもでも食べられる栄養源」を備蓄に入れておくと安心です。


■⑦ 親のストレスが子どもの食欲を左右する

避難生活が長引くほど、
親も疲れとストレスで表情が固くなります。

その空気を子どもは敏感に感じ取ります。

親が少しでもポジティブな声掛けをすると:

  • 「これなら食べられる?」
  • 「一緒に食べようね」
  • 「少しでもいいよ」

子どもの心が緩み、食べられるようになることが多いです。


■⑧ “子どもの食べられるものを確保する”は長期避難の鍵

避難生活が長く続くほど、
子どもの食事トラブルは多くなります。

そのため家庭備蓄には、
最低でも以下の“長期戦用”を準備しておくと安心です。

  • 温かくできる食品
  • 栄養補助食品
  • 子どもが慣れた味
  • のどに詰まりにくい食品
  • 消化に良い食品
  • 個包装で衛生的な食品

■まとめ|長期避難では“心を守る食事”が最重要

避難所での子どもの食事トラブルは、
体力の問題ではなく 心の負担 によるものがほとんどです。

長期化するほど、

  • 食べない
  • 夜になると食欲が落ちる
  • 好きなものしか食べられない

こうした傾向が強くなります。

結論:
子どもの心を守るために、家庭備蓄に“好きで食べられる食品”を必ず入れてください。
防災士として被災地で見た現実から言える、もっとも大事な備えです。

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