【防災士が解説】防災×防衛費|日本の防衛費は多い?少ない?世界比較から見える“守りの本質”

「日本の防衛費は増えすぎでは?」
「世界と比べて多いの?少ないの?」

ニュースで耳にすることはあっても、
実際に世界と比較して考えたことはあるでしょうか。

防災の視点から見ると、防衛費は“戦争の話”だけではありません。
国の守り方そのものと深く関係しています。


■① 日本の防衛費は世界で何位?

日本の防衛費は近年増額され、
年間約7〜8兆円規模となっています。

世界順位で見ると、
おおよそ7〜10位前後に位置します。

上位には
・アメリカ
・中国
・ロシア
・インド
などが並びます。

金額だけ見れば「多い国」に分類されます。


■② GDP比で見るとどうなるか

防衛費は金額だけではなく、
「GDP比」で見ることが重要です。

日本は長年「GDP比1%」を目安にしてきました。
近年は2%に近づく方針が示されています。

NATO諸国の多くはGDP比2%以上を目標にしており、
世界基準で見ると、
日本は“極端に多い”とは言えません。


■③ 防衛と防災は無関係ではない

防衛費は軍事だけに使われるものではありません。

・輸送機による物資搬送
・自衛隊の災害派遣能力
・通信・衛星インフラ
・医療・後方支援体制

災害発生時、
自衛隊の存在は極めて大きな役割を果たします。

東日本大震災でも、
延べ約10万人規模の隊員が活動しました。

防衛体制の強化は、
災害対応力の強化にもつながります。


■④ 防災士として現場で感じたこと

被災地派遣で強く感じたのは、
「初動は自助・共助が中心になる」という現実です。

自衛隊が到着するまでには時間がかかります。
道路が寸断されればさらに遅れます。

防衛費が増えたとしても、
“すぐ隣に支援が来る”わけではありません。

ここを誤解してはいけません。


■⑤ 行政が言いにくい本音

防衛費も防災予算も、
限りある財源の中で配分されています。

災害対策は目に見えにくく、
優先順位が後回しになりやすい分野でもあります。

防衛と防災は対立概念ではなく、
「守りの全体設計」の一部です。

国の守りと、
家庭の守りは連動しています。


■⑥ 世界と比較したときの日本の立ち位置

人口約1億2,000万人、
面積は世界60位前後。

災害大国であり、
地政学的にも複雑な位置にある日本。

防衛費の増減だけで安全は決まりません。

本当に重要なのは、
・危機に備える制度設計
・有事の指揮命令系統
・国民の危機意識

ハードだけでなく、
ソフトの整備が鍵です。


■⑦ 自律型防災の重要性

防衛費が増えても、
避難所に水が届くまで時間はかかります。

だからこそ、
自律型避難が重要です。

・最低3日分の備蓄
・家族間の連絡手段確認
・避難ルートの把握

国防は国の役割。
生活防衛は自分の役割です。


■⑧ 今日できる視点の整理

・防衛費を“金額”だけで判断しない
・GDP比で見る
・防災との関係を理解する
・家庭の備えを優先する

ニュースの数字は大きく見えますが、
自分の生活に落とし込むことが大切です。


■まとめ|守りは国家と家庭の二層構造

日本の防衛費は世界上位水準。
しかしGDP比では極端に高いわけではありません。

防衛と防災は、
分断して考えるものではありません。

結論:
国家の守りが強くても、家庭の備えがなければ命は守れない。

防災士として現場で見てきたのは、
最後に自分を守るのは自分自身という現実です。

国の防衛力を議論する前に、
まずは家庭の防災力を整える。

それが、最も確実な“守り”です。


■出典
Stockholm International Peace Research Institute(SIPRI)軍事支出データベース
https://sipri.org/databases/milex

コメント

タイトルとURLをコピーしました