非常食の備えは「3日で十分」と思われがちですが、
実際の大規模災害では支援が届くまで1〜2週間かかることがあります。
元消防の災害派遣でも、
「食料が3日で尽きた」「子どもが食べられるものがない」
という声を何度も聞きました。
そこで今回は “2週間を生き抜く非常食設計” を、
実戦経験から具体的にまとめます。
■① 2週間は“栄養・量・好み”の3軸で構成する
非常食を並べただけでは生き残れません。
必要なのはこの3つ:
- 栄養(タンパク質・食物繊維・塩分)
- 量(家族人数×7日分×2週)
- 好み(実際に食べられるか)
この3つを満たさないと、
途中で食べられなくなり心身が崩れます。
■② 非常食は“主食・主菜・副菜”で考えると管理が楽
災害現場で一番苦労したのが 栄養の偏り。
セット例:
- 主食:アルファ米、パン、パスタ、クラッカー
- 主菜:レトルト丼、さば味噌煮、カレー、パウチ惣菜
- 副菜:スープ、みそ汁、ひじき、乾燥野菜
これをローテーションするだけで、
栄養が整い、飽きず、心が安定します。
■③ カロリー不足は“気力低下”に直結する
避難生活で最も危険なのは エネルギー切れ。
目安:
- 男性:2,000〜2,400kcal
- 女性:1,600〜2,000kcal
- 子ども:1,000〜1,600kcal
不足すると…
- 集中力低下
- 意欲の喪失
- 免疫力低下
- 低体温のリスク増大
非常食には必ず高カロリー補助食を入れておくべきです。
■④ “温かい食事”が心の支えになる
冬の災害では、温かい食事が
最大の精神安定剤になります。
おすすめ:
- スープ(豚汁・コーンスープ)
- ホットドリンク(ココア・紅茶)
- 湯せんパウチ対応のレトルト
被災者の方が涙を流して
「温かい食事で落ち着いた」と言った光景を何度も見ています。
■⑤ “冷たいまま食べられる食品”も必ず入れる
電気・ガスが完全停止するケースも多い。
冷食ロスを避けるために:
- 缶詰(サバ、ツナ、焼き鳥)
- パウチ惣菜
- 栄養補助ゼリー
- 常温保存できるパン
「温かいもの」と「冷たいまま食べられるもの」は
必ずセットで準備してください。
■⑥ 水は“飲料3日+食事用7日”では足りない
実際の避難生活では
1日3〜4L必要になることが多い。
内訳:
- 飲む:1.5L〜2L
- 調理:1L
- 歯磨き・洗顔:0.5L
2週間では最低 42L(大人1人) 必要。
家族4人なら168L。
これが現実的な必要量です。
■⑦ 家族のストレスを減らす“嗜好品”を必ず入れる
実際、避難所で最も喜ばれたのは…
- チョコレート
- クッキー
- 乾燥フルーツ
- 出汁パック
- インスタントコーヒー
甘いもの・香りのあるものは、
不安を和らげ、眠れない夜を救います。
■⑧ 2週間分は“ボックス方式”が最も管理しやすい
おすすめ収納:
【7日分×2箱】
- A箱(1週目の食事セット)
- B箱(2週目の食事セット)
これにすると…
- 入れ替えがラク
- 賞味期限管理が簡単
- 必要量が一目でわかる
- 避難時の持ち出しもスムーズ
現場でも非常に運用しやすい方法です。
■まとめ|“2週間生きる食”があなたの家族を守る
結論:
非常食は3日では足りない。 家族を守るなら「14日基準の実戦型備蓄」が必要。
防災士として現場で見てきたのは、
“足りない備蓄”から生まれる不安、衰弱、トラブル…。
逆に、食が整っている家庭は
どんな状況でも落ち着いて対応できていました。
「家族のための非常食設計」
今日から始める価値があります。

コメント