災害時、GIGAスクール構想が最も試されるのは、停電や通信障害が発生した瞬間です。
理想的なICT環境は、非常時には簡単に崩れます。
重要なのは「全部動かす」ことではなく、「最低限を動かす」ことです。
この記事では、防災士の視点から、防災×GIGAにおける停電・通信断を前提とした現実的な設計を整理します。
■① 災害時は「使えない前提」で考える
災害直後に起きやすいのは、次の状況です。
・停電が長時間続く
・通信回線が混雑・断絶する
・校内ネットワークが停止する
この状態で通常運用を想定していると、何も動かせなくなります。
■② 防災×GIGAの目的を明確にする
非常時のGIGA運用は、目的を絞る必要があります。
・安否確認
・最低限の連絡
・簡易な学習継続
すべてをやろうとせず、守る機能を明確にすることが重要です。
■③ 防災士から見て多かった失敗
現場で多かったのは、次のような設計ミスです。
・通信が完全復旧するまで何もしない
・システム依存が強すぎる
・代替手段が決まっていない
結果として、初動対応が大きく遅れます。
■④ オフライン前提の活用が差を生む
停電や通信断でも使える工夫が、現実解になります。
・端末内保存の資料
・紙との併用
・短文での情報共有
「完璧なオンライン」より「確実なオフライン」が役に立つ場面は多いです。
■⑤ 行政が言いにくい本音
行政側としては、インフラ復旧に時間がかかる前提で動いています。
本音では、「現場で最低限回してほしい」と考えています。
そのため、学校側が自立して動ける設計が不可欠です。
■⑥ 自律型避難と情報取得の関係
情報が取れない状態は、不安を増大させます。
・自分で確認できる
・判断材料がある
この状態を作れるかどうかが、自律型避難の成否を分けます。
GIGA端末は、その土台になります。
■⑦ 「できること」を事前に共有する
非常時に混乱しないためには、
・できること
・できないこと
を平時に共有しておくことが重要です。
期待値を下げておくことが、結果的に信頼を守ります。
■⑧ 最低限動けば、完全停止は避けられる
完全な復旧を待たずに、
・情報だけ出す
・確認だけ行う
これだけでも、学校は「機能している」状態を保てます。
■まとめ|防災×GIGAは「最低限設計」が強い
防災×GIGAで最も重要なのは、理想環境を守ることではありません。
最悪の状況でも動く設計です。
結論:
防災×GIGAは、停電・通信断を前提に「最低限動く」設計をしてこそ機能する。
防災士として現場を見てきた中で、
最低限の情報発信ができていた学校ほど、混乱が少なく、復旧もスムーズでした。
非常時に強い仕組みは、平時の割り切りから生まれます。

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