【防災士が解説】防災×ORS|経口補水液で命を守る冬の災害対策

災害時に水や電気が使えない状況では、体内の水分と塩分のバランスが崩れやすくなります。特に冬季は寒さによる血管収縮や室内暖房による乾燥で脱水症状が起きやすく、体調管理が非常に重要です。本記事では、経口補水液(ORS)の活用方法と、災害時の具体的な飲用戦略を解説します。


■① ORSとは何か

ORS(Oral Rehydration Solution:経口補水液)は、体液の水分と塩分を効率よく補給するために作られた飲料です。
通常の水分補給では塩分が不足し、下痢や発汗などによる脱水を補うことができません。

主な成分:

  • ナトリウム(塩分)
  • ブドウ糖
  • カリウム、塩素などの電解質

これにより、水分の吸収効率が高まり、軽度〜中等度の脱水症状に有効です。


■② 災害時にORSが必要な理由

冬の災害時には以下の状況で脱水症状が進行することがあります。

  • 暖房やカセットストーブによる室内の乾燥
  • 避難所でのトイレ制限による水分摂取不足
  • 食料制限による電解質不足
  • 発熱やストレスによる汗や呼吸での水分喪失

特に高齢者や持病を持つ人は、わずかな脱水でも血圧低下や意識障害を起こす危険があります。


■③ ORSの種類と選び方

市販の経口補水液には以下の種類があります。

  • 液体タイプ(500mlペットボトル)
  • 粉末タイプ(500ml〜1Lの水に溶かして使用)
  • パウチタイプ(少量ずつ携帯可能)

災害用として備蓄する場合は、粉末タイプがおすすめです。
理由は以下の通りです。

  • 保存性が高く長期保存可能(2〜3年)
  • 使う量を調整できる
  • 容量が軽量で持ち運びやすい

■④ ORSの飲み方と量

正しい飲み方で初めて効果を発揮します。

  • 成人の目安:1日2〜3L程度(食事・水分も含む)
  • 少量ずつ、こまめに飲むのが基本
  • 嘔吐や下痢がある場合は一度に大量に飲まず、数回に分けて吸収させる

災害時には飲み過ぎによる電解質バランスの崩れも注意が必要です。


■⑤ 家族・高齢者向けの備え

家庭では以下のように備えると安心です。

  • 家族人数分+予備を1週間分確保
  • 高齢者用に小分けパウチやストロー付きパッケージを用意
  • 持病がある人は医師と相談して服薬とのタイミングを確認

避難バッグや車中泊用の非常持出袋にも必ず入れておきましょう。


■⑥ ORS以外の水分補給との使い分け

災害時は水やお茶、スポーツドリンクなども使用できますが、注意点があります。

  • 普通の水:水分は補えるが塩分は補えない
  • スポーツドリンク:糖分が高く、塩分濃度が適正でない場合がある
  • ジュース類:糖分過多で吸収効率が下がる

そのため、脱水が懸念される場合は必ずORSを優先して摂取することが推奨されます。


■⑦ 実際に災害訓練で試す

経口補水液は「準備して満足」では意味がありません。
実際に災害訓練で以下を試しておくと効果的です。

  • 粉末タイプを水に溶かして家族で飲む
  • 味の確認と量の調整
  • 避難バッグからすぐ取り出せる場所に収納

訓練を通して、誰がどの量を、いつ飲むかのルールを家族で決めておくことが重要です。


■まとめ|冬の災害にはORSで命を守る

冬季の災害では、暖房や水分摂取の制限により脱水症状が起きやすく、特に高齢者や子どもは危険が高まります。
防災士としての経験上、経口補水液を備えていない家庭は、軽度の脱水でも健康被害に直結するケースを多く見ています。

結論:
災害時の水分・電解質補給にはORSが最適。家庭や避難所での備蓄と、家族全員が使えるように訓練しておくことが命を守る最重要ポイントである。

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