【防災士が解説】防災×SDGs目標5|「声を上げない人」が取り残される──災害時ジェンダーギャップの本質

SDGs目標5「ジェンダー平等」は、制度や数字の話だけではありません。災害時に最も大きな差となって現れるのは、「声を上げられる人」と「上げにくい人」の違いです。防災の現場から、その構造を掘り下げます。


■① 災害時は「沈黙」が不利になる

災害現場では、
・困っていることを言えない
・我慢してしまう
・迷惑をかけたくない
という人ほど支援から遠ざかります。これは女性に多く見られる傾向です。


■② 情報格差が命に直結する

避難所の情報は、
・掲示物
・口頭連絡
・運営会議
で共有されます。
しかし、育児・介護・炊き出しに追われる人ほど、情報に触れる機会を失います。


■③ 実際に多かった失敗

「必要な人は申し出てください」という運営方針です。
実際には、最も支援が必要な人ほど申し出ませんでした。


■④ 現場で見た“誤解されがちポイント”

「文句を言わない=困っていない」という誤解。
沈黙は安心の証ではなく、遠慮や諦めのサインであることが多いです。


■⑤ 行政側が言いにくい本音

すべての避難者の事情を把握するのは、正直不可能です。
だからこそ、声を拾う“仕組み”が必要になります。


■⑥ ジェンダー配慮=対話の設計

重要なのは、
・個別ヒアリング
・女性相談員の配置
・匿名相談の仕組み
声を上げなくても支援につながる導線です。


■⑦ 家庭内ジェンダーが非常時に表れる

平時から、
・家事
・育児
・介護
が偏っている家庭ほど、災害時の負担も偏ります。防災は家庭の在り方を映します。


■⑧ 平時からできる準備

・家族で「困ったら言う」練習
・防災訓練で役割を固定しない
・地域で女性の意見を聞く場を作る
これが災害時の命綱になります。


■まとめ|沈黙を前提にした防災へ

災害時に必要なのは「声を出せる人」前提の防災ではありません。

結論:
声を出さなくても守られる仕組みが、防災の完成形

防災士として、静かに我慢していた人ほど深刻な状態だった現場を何度も見てきました。ジェンダー配慮とは、弱さを前提に設計する防災です。

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