【防災士が解説】防災×Signal Reading|消防士の命を守った現場判断術

2020年5月16日午後6時26分、ロサンゼルスのダウンタウン327 E. Boyd St.で構造物火災が発生しました。LAFD(ロサンゼルス市消防局)が出動し、先着隊は4分以内に現場到着。1階建て商業ビルから煙が立ち上っているのを確認し、エンジンカッターでシャッターを開け、屋内消火と進入準備を開始しました。


■Signal Reading(シグナルリーディング)とは

Signal Readingとは、火災現場での微細な兆候や音、煙の挙動を読み取り、危険を予測する技術です。
今回の火災では、屋上隊員が突然黒煙が増え、甲高い音を聞き取ったことで、現場指揮者が即座に退避命令を出すことができました。

  • 消防士は現場の変化を観察
  • 声や音の変化で爆燃やバックドラフトを予測
  • 「First In – Last Out」の原則で安全確保

この判断により、隊員全員が無事に脱出できました。


■現場の状況と危険要素

  • 火災発生建物:1階建て商業ビル
  • 消防活動:屋内消火、垂直ベンチレーション(屋上排煙)、エンジンカッター使用
  • 危険発生:火炎の急激な増加、大規模な爆燃
  • 影響:屋上隊員の指揮下で11名が退避、消防士12名がやけど負傷、集中治療室搬送

この火災では、ヘルメットや防火衣が焦げて変形するなど装備への高熱曝露も確認されました。


■Signal Readingによる救命判断の具体例

  1. 煙と音の変化の観察
    煙の色・量・流れの変化を即座に判断し、危険拡大を予測。
  2. 爆燃兆候の検知
    建物内部から大きな爆発音が聞こえた際、全隊員への退避命令。
  3. 個人装備の安全確認
    空気呼吸器、ヘルメット、防火衣の使用状況を常に確認。
  4. 退避ルートの事前設定
    はしご車など安全な脱出経路を確保しておくことで、迅速な避難が可能。

■LAFDでの被害状況と対応

  • 火傷:消防士12名が上半身から全身にかけて重軽度の火傷
  • 治療:集中治療室で皮膚移植や人工呼吸器使用
  • 装備への影響:ヘルメット、防火衣、手袋、空気呼吸器が高熱で損傷

医療責任者マーク・エクスタイン博士は、装備が隊員の命を守る役割を果たしたことを強調しています。


■学ぶべき防災ポイント

  1. 現場観察の重要性
    微細な兆候や音、煙の変化を見逃さないことが、隊員の安全に直結。
  2. 退避ルールの明確化
    「First In – Last Out」の原則により、最後に進入した隊員が全体の安全を確認。
  3. 個人装備の効果的使用
    ヘルメット、防火衣、手袋、呼吸器の適切な使用で火傷や事故を最小限に。
  4. 事前訓練とシミュレーション
    映像や実践的訓練で、突発的な危険に対応する判断力を養う。

■日本の消防現場への応用

  • 突発的な火災や爆燃に備え、隊員はSignal Readingを活用
  • 消火活動前に、煙の動き・建物構造・音の変化を観察
  • 退避ルートや装備の準備を事前に確認しておく

これにより、火災現場での即時判断と安全確保が可能になります。


■まとめ

Signal Readingは、消防士の命を守るための不可欠な技術です。

  • 微細な兆候を読み取る
  • 事前に退避経路を設定する
  • 個人装備を最大限活用する

これらを組み合わせることで、爆燃や予期せぬ危険にも対応可能です。
現場指揮者と隊員の適切な判断と連携が、命を守る最大の武器となります。


参考・出典:Los Angels Daily News
https://www.dailynews.com/2020/05/16/firefighters-hurt-in-explosion-while-fighting-fire-in-downtown-los-angeles/

コメント

タイトルとURLをコピーしました