【防災士が解説】降積雪期の命を守る防災態勢とは|防災×降雪×初動対応

降積雪期は、地震や豪雨とは異なる形で人命が脅かされる季節です。
毎年のように除雪作業中の事故や孤立、建物被害が発生しており、「雪は慣れている地域だから大丈夫」という油断が、犠牲につながっています。


■① 降積雪期に繰り返される人的被害の現実

昨冬期だけでも、
・除雪作業中の事故
・屋根雪下ろし中の転落
・雪道での交通事故

などにより、死者68名、重傷者416名という深刻な人的被害が発生しました。

これは自然現象そのものよりも、「人の行動」と「体制の弱さ」に起因する被害が多いことを示しています。


■② 豪雪地帯が抱える構造的なリスク

豪雪地帯では、
・高齢化の進行
・過疎化による人手不足
・除雪を担う建設業者の減少

といった課題が重なっています。

結果として、
「本来は複数人で行うべき除雪作業を、高齢者が単独で行う」
という危険な状況が常態化しつつあります。


■③ 雪害に慣れていない地域こそ危険

特に注意が必要なのは、
普段は雪害が少ない地域です。

平成26年2月の大雪では、
・初動体制の遅れ
・除雪体制の不備
・住民やドライバーへの情報不足

により、都市部でも大規模な混乱が発生しました。

「想定外」を前提にしないことが、最大のリスクになります。


■④ 情報提供と初動対応が生死を分ける

降積雪期の防災では、
・気象情報の早期共有
・不要不急の外出抑制
・ドライバーへの的確な注意喚起

が極めて重要です。

特に大雪時は、
「出ない判断」「止める判断」
が命を守る行動になります。


■⑤ 要配慮者と孤立リスクへの備え

高齢者、障がい者、持病のある方など、
要配慮者への対応は降雪期に一層重要になります。

また、
・山間部
・過疎集落
・交通遮断のおそれがある地域

では、事前の見守りや物資確保、安否確認体制が不可欠です。


■⑥ 地震被災地における積雪リスク

令和6年能登半島地震で強い揺れを受けた地域では、
・損傷した建物
・応急危険度判定済み建物

が、積雪荷重により倒壊するリスクがあります。

雪は「静かに被害を拡大させる要因」になることを、改めて認識する必要があります。


■⑦ 人命最優先の防災態勢とは

降積雪期の防災で最も重要なのは、
「人命の保護を最優先にする判断基準」
を共有することです。

・作業を止める勇気
・避難を早める判断
・無理をさせない体制

これらが、犠牲を減らします。


■⑧ 今日からできる最小行動

・除雪は必ず複数人で行う
・雪予報時は予定を見直す
・高齢者の除雪状況を気にかける
・地域の降雪対応ルールを確認する

降積雪期の防災は、特別な装備よりも「判断と体制」が命を守ります。
雪が降る前に、行動と意識を整えておくことが最大の備えです。

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