【防災士が解説】雪崩救助訓練に学ぶ「雪害の本当の怖さ」――大雪の年ほど“二次災害”を避ける行動を

大雪のニュースは「交通が大変」「除雪がきつい」で終わりがちですが、本当に怖いのは“雪が落ちる・崩れる・埋まる”事故です。新潟県長岡市では、雪崩に巻き込まれた人を救助する技術を学ぶ訓練が行われ、消防は「去年より落ちてくる雪の量が多い」として注意を呼びかけています。
この記事では、ニュース内容を踏まえつつ、家庭でもできる“雪崩・落雪・埋没”の回避行動を、現場目線で整理します。

目次

  • ■① 今年の大雪で何が起きているのか
  • ■② 「雪崩」は山だけの話じゃない
  • ■③ 消防が訓練する“ラインプロービング”とは
  • ■④ まず優先すべきは「二次災害に近づかない」
  • ■⑤ 家族で決めておく雪害の行動ルール(最小版)
  • ■⑥ 外での雪害:歩行・車・除雪の危険ポイント
  • ■⑦ もし巻き込まれた/見かけた時の通報と初動
  • ■⑧ 今日できる一手(10分で終わる)

■① 今年の大雪で何が起きているのか

長岡市では、雪崩に巻き込まれた人を救助する訓練が行われ、若手署員が資機材の扱いを学びました。現地では、道路をふさぐ雪崩の発生も確認され、消防は「崩れやすい斜面のそばを歩かない」などの注意を呼びかけています。さらに「落ちてくる雪の量が去年より多い」とのコメントも出ています。
つまり今年は、“雪が多い”だけでなく、“落ちる・崩れる規模が大きい”前提で行動した方が安全です。 oai_citation:0‡新潟ニュース NST


■② 「雪崩」は山だけの話じゃない

雪崩というと山のイメージですが、生活圏にも似た危険がいくつもあります。

  • 屋根雪の落下(落雪)
  • 雪庇(せっぴ)の崩落
  • 斜面・法面(のりめん)の崩れ
  • 除雪でできた雪山の崩れ・埋没
  • 建物周りの雪が“壁”になって倒れ込む

現場でも、事故の多くは「いつもの道」「いつもの作業」で起きます。慣れが最大の落とし穴になります。


■③ 消防が訓練する“ラインプロービング”とは

ニュースに出てくる「ラインプロービング」は、複数人が横一列に並び、ゾンデ棒(プローブ)で雪中の埋没者を探す方法です。要点はシンプルで、「間隔を揃えて、探し漏れを作らない」。訓練で先輩隊員が“横ずれ”を強く指摘していたのは、そのズレが生死を分けるからです。 oai_citation:1‡新潟ニュース NST

家庭で同じことはできませんが、ここから学べるのは一つです。
雪害は“探せば助かる”ではなく、“埋まらない行動が最強”ということです。


■④ まず優先すべきは「二次災害に近づかない」

救助現場で一番怖いのは、助ける側が巻き込まれることです。雪害でも同じで、「助けたい」気持ちが強いほど危険に近づいてしまいます。消防が“二次的な災害に巻き込まれないように”と強調するのは、その現実があるからです。 oai_citation:2‡新潟ニュース NST

【元消防職員・防災士】として災害対応や被災地の現場で繰り返し見たのは、被害を大きくするのは“最初の一撃”より“その後の連鎖”だということです。雪害は特に、連鎖が速い。だから優先順位はこうです。

1) 自分が安全な場所にいる
2) 周囲の崩れ・落下がない
3) それでもできる範囲で、通報と見守りをする


■⑤ 家族で決めておく雪害の行動ルール(最小版)

雪害は「その場の判断」だと負けやすいです。家族で次の3つだけ決めておくと、迷いが減ります。

  • ルールA:屋根の下・雪庇の下には立ち止まらない(写真を撮らない)
  • ルールB:斜面の脇を歩く時は“斜面側に寄らない”(反対側を歩く)
  • ルールC:除雪中に異音・ひび割れ・雪の動きが見えたら“即やめる”

「やめる」判断は弱さではなく、家族を守る技術です。


■⑥ 外での雪害:歩行・車・除雪の危険ポイント

歩行

  • 斜面の下・雪壁の脇・雪山の横を避ける
  • 風が強い日は落雪が起きやすい(特に気温変化の後)

  • 道路脇の雪壁が高い場所は、雪崩・落雪の“通り道”になりやすい
  • 雪崩で通行止めになっている場所は、再崩落の可能性がある(近づかない)

除雪

  • 一人作業を避ける(声が届く範囲で)
  • 屋根雪下ろしは、落下と埋没の二重リスク
  • 雪山の上に登らない(崩れて“沈む”ことがある)

■⑦ もし巻き込まれた/見かけた時の通報と初動

自力で救助しようとすると、二次災害で人数が増えます。基本は次の順です。

1) まず安全な場所へ移動
2) 119番通報(場所・状況・人数・二次災害の危険を伝える)
3) 可能なら「最後に見えた位置」を目印で示す(離れた安全な場所から)
4) むやみに斜面や雪山に入らない

「助ける行動」は、近づくことだけではありません。正確な通報と位置情報が、結果的に最短の救助につながります。


■⑧ 今日できる一手(10分で終わる)

  • 自宅・通学路・職場周辺で「雪が落ちる場所/崩れそうな斜面」を3つだけ確認
  • 家族LINEに「屋根の下に入らない」「斜面側を歩かない」を一言共有
  • 119番の通報時に言うことをメモ(場所→状況→人数→危険)

雪害は“備えた人”が勝つ災害です。大雪の年ほど、やることを増やすより、「近づかない・やめる・迷わない」を先に整えるのが、いちばん効きます。


■出典

  • 新潟ニュースNST「若手消防隊員が“雪害救助”学ぶ!大雪に見舞われた今季…雪崩に注意呼びかけも『落ちてくる雪の量が去年より多い』新潟・長岡市」(2026/2/17)

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