【防災士が解説】静電気で火災が起きる?乾燥シーズンの着火リスクと対策

2025.11.26

冬になると「ドアノブでバチッ」と感じる静電気。不快なだけ…と思われがちですが、実は火災の原因になることがあることをご存じでしょうか。

静電気は数千〜数万ボルトに達することもあり、条件が揃うと可燃性蒸気や粉じんに着火する危険性があります。
この記事では、静電気の着火メカニズムから、家庭・給油・DIYなどの具体的なリスク、そして今日からできる予防策をわかりやすく解説します。


■静電気の火花は「可燃物に引火する力を持つ」

静電気は、物体同士がこすれ合うことで電荷が偏る現象です。
● 片方がプラス、もう片方がマイナスに帯電
● 金属などに触れた瞬間に一気に放電
● 火花(スパーク)が発生

特に湿度40%以下の冬場は電荷が逃げにくく、人体そのものが帯電しやすい環境になります。

通常、放電の電流は弱く人体への影響はほぼありません。
しかし、周囲に以下の物質があると話が変わります。

● ガソリン蒸気(最小着火エネルギー 0.2mJ)
● 各種溶剤
● 灯油・アルコール類
● 小麦粉・砂糖などの可燃性粉じん

これらは、静電気の小さな火花でも引火する可能性があります。

つまり——
「バチッ」という小さな静電気でも、環境次第で火災は起こる。
これが冬場の“見えないリスク”です。


■静電気火災が起きやすい3つのシーン

●① 給油(ガソリンスタンド)

ガソリン蒸気は非常に引火しやすく、静電気着火事故は毎年発生しています。

● 車から降りるときの衣類の摩擦
● セーターやフリースの帯電
● 給油ノズルへ触れた瞬間の火花

このわずかな火花で引火するケースがあります。


●② 家庭での調理・掃除

台所には「揮発性のある可燃物」が多く存在します。

● アルコールスプレー
● 油の蒸気
● ガスの微量漏れ
● 小麦粉や片栗粉の粉じん

例えば、粉じん爆発が静電気から発生することも知られています。


●③ 冬のDIY作業・倉庫作業

静電気が起きやすい空間の例:

● ペンキ・溶剤を使う作業
● 木粉・金属粉が舞う工房
● 段ボールやビニール袋を扱う倉庫
● 作業服同士の摩擦

乾燥した作業場は特に危険性が高まります。


■今日からできる“静電気による火災”の予防策

●① 湿度40~60%をキープ

加湿は最も簡単で効果的な静電気対策。
湿度が上がるほど帯電しにくくなります。


●② 冬の衣類選びに注意

帯電しやすい組み合わせ
● 化学繊維 × 化学繊維(フリース・ナイロンなど)

帯電しにくい組み合わせ
● 綿(コットン)
● ウール

特に給油時は綿の上着が安全。


●③ 給油前は「静電気除去パッド」を必ず触る

これは最も重要な対策です。
静電気を逃がしてから給油すれば、火花発生リスクが大幅に減少します。


●④ アルコール・溶剤使用時は“換気を徹底”

● アルコール除菌スプレー
● ペンキ
● シンナー
● エタノール暖炉

これらは蒸気が充満すると、静電気で着火する可能性があります。


●⑤ 粉じん(小麦粉・片栗粉・砂糖)を空中に舞わせない

炒め物のときに粉を振る、袋を勢いよく開けるなどは危険。
火元の近くでは特に注意してください。


■まとめ|冬は“静電気=火災リスク”と考える

● 静電気は数千〜数万ボルトに達する
● ガソリン蒸気や粉じんはわずかな火花で着火
● 冬は湿度低下により帯電しやすい
● 給油・調理・DIYは特に危険
● 予防策は「湿度管理」「衣類選び」「静電気除去」が基本

静電気は見えないからこそ、火災発生時は「予想外の原因」となることが多い現象です。
今日からできる小さな対策が、冬の火災を未然に防ぎ、家族の安全を守ります。

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