【防災士が解説】高齢者の災害避難計画:大都市で進まない個別避難計画


■① 背景

災害時、自力で避難するのが難しい高齢者や障害者に対して、事前に避難手順を定める「個別避難計画」の策定が重要です。しかし、2025年4月時点で、政令指定都市20市の7割、東京23区の3割が全国平均を下回る状況でした。阪神・淡路大震災では犠牲者の約半数が65歳以上であり、事前の準備不足が被害拡大に影響したことがわかります。


■② 現状

少子高齢化が進む中、災害対策基本法の改正(2013年以降)により、自力避難困難者の氏名・住所・連絡先などを把握する努力義務が市町村に課されています。しかし、都市部では自治体担当者の負担や地域特性の複雑さから、計画策定が遅れる傾向があります。


■③ 自律型避難との関係

個別避難計画は、自律型避難の考え方と密接に関連しています。避難者自身が自分の避難手順や必要物資を理解し、日常から備えることで、災害時に混乱を避け迅速な避難行動が可能になります。高齢者向けには、家族や地域との情報共有、日常生活での訓練・シミュレーションが重要です。


■④ 防災と福祉の連携

高齢者・障害者の安全確保には、防災と福祉の連携が不可欠です。自治体は地域包括支援センターや民間支援団体と協力し、避難計画の作成、訓練、日常備蓄支援などを統合的に進める必要があります。


■まとめ

大都市における高齢者の個別避難計画策定は遅れており、早急な改善が求められます。自律型避難の視点を取り入れ、地域全体で支援と情報共有を強化することが、高齢者の命を守る鍵となります。

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