対話型生成AI「チャットGPT」が、大学入学共通テストで9科目満点という結果を出したことは、単なる学力の話題にとどまりません。この出来事は、防災分野におけるAI活用の可能性を考える上でも、重要な示唆を含んでいます。
■① 共通テストで示されたAIの学力水準
2025年1月に実施された大学入学共通テストを、チャットGPTの最新モデルに解かせたところ、15科目中9科目で満点、全体の得点率は97%に達しました。
数学、化学、公共、政治・経済、情報Ⅰなど、論理的思考や情報処理能力が問われる科目で特に高い成果を示しています。これはAIが「大量の知識」だけでなく、「判断・整理・応用」を高い水準で行える段階に到達していることを意味します。
■② AIの急激な進化が示すもの
同じ分析で、2024年は66%だった得点率が、2025年には91%まで向上しています。わずか1年での飛躍的進歩は、人間の学習速度とは比較になりません。
この進化速度は、防災の世界においても無視できない要素です。災害対応では「過去の事例」「最新の情報」「複数条件の同時判断」が求められますが、AIはこれを瞬時に処理できます。
■③ 防災分野で期待されるAIの役割
防災においてAIが力を発揮できる場面は多岐にわたります。
・災害発生時の情報整理と優先順位付け
・避難判断に必要な条件の整理
・住民向けの分かりやすい行動指針の提示
学力テストで示された高精度な判断力は、これらの分野への応用可能性を裏付けています。
■④ 人の判断を補強する「相棒」としてのAI
重要なのは、AIが人に取って代わる存在ではなく、人の判断を支える存在であることです。
現場では、
・感情
・疲労
・情報不足
といった人間特有の制約が生じます。AIはそれを補完し、冷静な視点を提供する役割を担えます。
■⑤ 防災教育とAIの融合
今回の結果は、防災教育にも応用できます。
・防災知識の個別最適化
・年齢や理解度に応じた説明
・訓練シナリオの自動生成
学力向上を示したAIは、防災教育を「分かりにくいもの」から「理解しやすいもの」へ変える可能性を持っています。
■⑥ 現場で見てきた判断ミスの現実
災害現場では、「知っていれば防げた」「整理できていれば助かった」というケースを数多く見てきました。情報が足りないのではなく、整理と判断が追いつかないことが原因になる場面が多いのです。
AIの強みは、まさにこの部分にあります。
■⑦ 今日できる最小行動
・AIを防災の敵ではなく、道具として理解する
・正確な情報を選び取る力を養う
・人とAIが協力する前提で備えを考える
AIの学力向上は、私たちの防災力を高めるチャンスでもあります。技術を恐れるのではなく、正しく使いこなす視点を持つことが、これからの防災に求められています。

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