米政権が、自動車の燃費規制におけるEV(電気自動車)優遇の計算規則を廃止する方針を発表しました。
一見すると「環境政策」の話に見えますが、
実はこれはエネルギー安全保障=防災力にも直結するテーマです。
今回は、防災の視点から整理します。
■① 何が廃止されるのか
米国の企業別平均燃費基準(CAFE)では、
EVの電力消費をガソリン換算する「燃料含有係数(FCF)」という計算方法が使われてきました。
この係数が、
・EVの燃費を実態より有利に見せている
・環境効果を過大評価している
と判断され、削除される方向となりました。
つまり、EVを有利に扱う計算ルールの見直しです。
■② EVは防災に強いのか?
防災の観点では、EVには明確な強みがあります。
・停電時に電源として活用可能(V2Hなど)
・ガソリン不足時でも家庭給電が可能
・車中泊避難でエンジン停止中も電力使用可能
実際、東日本大震災以降、
「走る蓄電池」としてEVが注目されてきました。
■③ ただし弱点もある
一方で、
・停電時に充電できない
・長期停電ではインフラ復旧待ち
・寒冷地ではバッテリー性能低下
といった課題もあります。
能登半島地震では広範囲停電が長期化しました。
被災地派遣で感じたのは、
単一エネルギー依存は危険ということです。
■④ ガソリン車は“古い”のか?
トランプ政権はガソリン車生産を支援する方向です。
ガソリン車の強みは、
・給油時間が短い
・燃料備蓄が容易
・インフラが成熟している
災害時には、
給油所の自家発電設備が機能すれば供給が早く復旧します。
■⑤ 本当に重要なのは“多様性”
防災で最も大切なのは、
エネルギーの分散
・EV+太陽光+蓄電池
・ガソリン車+備蓄燃料
・ハイブリッド車
単一解ではなく、複数の選択肢を持つことが強い。
これは家庭防災も同じです。
■⑥ 政策変更は“リスク”か“チャンス”か
政策が変わると、
・補助金が変わる
・車価格が変わる
・市場構造が変わる
しかし、
私たち家庭にとって重要なのは、
「どの車が補助金対象か」よりも
「災害時にどう使えるか」です。
■⑦ 車は“移動手段”以上の存在
被災地派遣(熊本地震・能登半島地震)で強く感じたのは、
車は
・避難所
・電源
・移動診療手段
・物資運搬手段
になるということ。
車種よりも、
活用知識があるかどうかが大きな差を生みます。
■⑧ 家庭で考えるべきポイント
・停電時に給電できるか
・燃料はどれくらい維持できるか
・充電/給油インフラは近くにあるか
・自宅に太陽光はあるか
政策は変わります。
しかし、家庭の備えは自分で決められます。
■まとめ|重要なのは「エネルギーの耐災害力」
EV優遇規則の廃止は、
環境政策の方向転換ですが、
防災の本質は変わりません。
結論:
EVかガソリンかではなく、“エネルギーの分散”が家庭の防災力を高めます。
被災地で見た現実は、
「動ける人」「電源を持っている人」が強いという事実。
車選びも、防災の一部です。
出典:ロイター(2026年2月18日)

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