【防災士が解説】SNSで警察官を名乗る詐欺|「資金調査」「暗号資産」で1835万円を奪う手口と対策8選

SNSや電話を使って警察官を名乗り、「あなたも詐欺グループの一員」「容疑を晴らすために資金調査が必要」などと不安をあおり、暗号資産を送金させる詐欺が発生しています。
災害時と同じで、人は強い不安にさらされると判断が鈍ります。だからこそ、手口を知り、家族で“止めるルール”を先に決めておくことが最大の防御になります。


■① まず結論|警察を名乗っても「SNSで取調べ」「資金調査」は詐欺の典型

今回の事案は、宅配業者を名乗る電話で不安を作り、警察官を名乗る人物へ転送し、SNSに誘導して暗号資産を送金させる流れでした。
ポイントは「警察官っぽい要素(肩書き・手帳写真・それっぽい言葉)」で信用させ、冷静さを奪って行動させることです。


■② よくある流れ|“不安→隔離→行動”の三段階で追い込む

典型的な進行は次の通りです。
1) まず不安を作る(「荷物に現金が入っていた」「違反」「犯罪」など)
2) 外部と切り離す(「今すぐ」「秘密」「北海道に来い」「SNSで事情聴取」など)
3) 行動させる(暗号資産の購入、指定アドレスへの送金)

災害対応でも「情報を遮断されると、人は極端な判断をしやすい」と痛感します。詐欺は、その心理を狙ってきます。


■③ 詐欺が使う危険ワード|出たら“即切り”が正解

次のワードが出たら、内容がどうであれ一旦そこで止めてください。
・「あなたもグループの一員」
・「容疑を晴らす」「資金調査」
・「逮捕状」「差押」「資金洗浄(マネーロンダリング)」
・「SNSで取調べ」「SNSで事情聴取」
・「暗号資産を買って送金」
この時点で“正しい相手かどうか”を議論すると、相手の土俵に乗ります。止めることが先です。


■④ 見抜き方|警察手帳の写真や肩書きは「証拠にならない」

画像や肩書きは、いくらでも作れます。
さらに、相手が「それっぽい専門用語」を使うほど危険です。人は分からない言葉が出ると「自分が悪いのかも」と思い込みやすくなります。

防災の現場でも、専門用語が増えるほど誤解が増えます。詐欺師はその心理を逆利用して「難しい話=本物っぽい」を演出します。


■⑤ 初動の正解|その場で切って、公式窓口から“かけ直す”

やることはシンプルです。
1) 電話を切る(会話を続けない)
2) 家族や身近な人に即共有する(1人で抱えない)
3) 警察は「自分で調べた番号」にかけ直す(相手が言った番号は使わない)
4) 送金前なら、暗号資産取引所・金融機関にも相談する

ここで重要なのは「相手を論破しようとしない」ことです。災害時も同じで、混乱時は“手順の固定”が勝ちます。


■⑥ 家族で決めるルール|1枚で守れる「詐欺ブレーキ」

家庭内で、短いルールを決めておくと強いです。
・警察を名乗っても「SNS誘導」は即終了
・「資金調査」「暗号資産」は即終了
・困ったら“家族に一言”してから動く(単独判断禁止)
・スマホに「相談先(家族・警察・消費生活)」を固定表示

防災と同じで、ルールは長いほど守れません。短く、迷わない形が最強です。


■⑦ 暗号資産が狙われる理由|「取り戻しにくい」から被害が大きくなる

暗号資産は送金が速く、取り戻すのが難しいため、詐欺側にとって都合が良い手段になりやすいです。
「アプリを入れて」「指定アドレスに送って」と言われたら、99%アウトだと思ってください。

防災士としての本音を言うと、こうした詐欺は“知識の差”ではなく“孤立した瞬間”に起きます。連絡を遮断される前に、誰かに話すだけで止められるケースが多いです。


■⑧ 平時の備え|国際番号対策+SNS設定で“入口”を潰す

被害を減らすには、入口対策が効きます。
・海外との電話が不要なら、国際電話の発着信を止める手続きを検討する
・SNSは「知らない人からの友達申請・DMを拒否」に寄せる
・固定電話は迷惑電話対策機器(番号表示・録音)を活用する
・家族(特に高齢の家族)に「危険ワード」を共有しておく

災害も詐欺も、起きてから完璧に対処するのは難しいです。平時に“入口を減らす”のが一番ラクで強い備えです。


■まとめ|警察を名乗っても「SNS取調べ」「資金調査」「暗号資産」は即停止

電話やSNSで不安をあおり、警察官を名乗って隔離し、暗号資産を送金させる手口は、今後も形を変えて繰り返されます。
大切なのは、相手が誰かを見極める前に「危険ワードが出たら止める」こと。そして、1人で判断しない運用を家庭に作ることです。

結論:
詐欺は“正体当て”ではなく、“止める手順”で防げます。
防災士として被災地派遣の現場でも感じたのは、生活の崩れは「情報と判断の混乱」から始まることです。詐欺も同じで、止めるルールがある家ほど被害を避けられます。

出典:政府広報オンライン「国際電話詐欺」掲載ページ

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