【防災士が解説】WBC視聴中の家族ルール「情報格差ゼロ」|スマホの優先順位と災害用伝言ダイヤルで迷わない手順

WBCのように注目が集まる時間帯は、配信・SNS・通信が一気に重くなります。もし同じ時間に地震や大雨が重なったら、家族の中で「誰が何を見て、誰にどう伝えるか」がバラバラになり、情報格差が不安と混乱を生みます。大事なのは“情報の量”ではなく“家族で同じ手順を持つこと”。視聴を楽しみながら、災害時に迷わない家族ルールを作ります。


■① 情報格差が起きると何が危ないのか

家族の中で起きがちなズレは、次の3つです。
・誰かはSNSの噂、誰かはテレビ、誰かは何も見られない
・連絡が集中してLINEが届かず、焦って電話をかけ続ける
・「今どこにいる?」「無事?」の確認だけで通信と電池を消耗する
この状態になると、本当に必要な情報(揺れの見通し、避難情報、停電範囲)が入らなくなります。


■② 家族で決める「スマホ優先順位」5段階

災害時は“スマホを触る順番”を決めておくと強いです。

1) 命を守る行動(身の安全・火の元・避難判断)
2) 公式情報の確認(気象・避難・ライフライン)
3) 家族の安否共有(短文・定型)
4) 近所・職場への連絡(必要最小限)
5) SNS・動画・速報の追いかけ(最後)

WBC視聴中でも、警報や緊急速報が来たらこの順番に切り替えます。


■③ 「スマホオフ」の使いどころ|切るのは通信ではなく“無駄”

完全にスマホを切るのではなく、無駄を切ります。
・動画視聴を止める(通信と電池を温存)
・通知は最小限(緊急速報・電話・家族連絡だけ)
・画面の明るさを下げる、低電力モード
・アプリ自動更新を止める
スマホは災害の道具です。熱狂中ほど、意識的に“温存モード”へ切り替えます。


■④ 家族LINEの定型文を作る|短く・同じ形で・返しやすく

通信が混むと長文は読めず、返信も遅れます。定型にすると強いです。

例:
・「無事/自宅/けがなし/電気○/水○」
・「無事/外出先○○/帰宅可否△/迎え不要」
・「避難中/場所○○/合流は△△」

この3種だけでも、家族の状況が一気に整理されます。


■⑤ 災害用伝言ダイヤル(171)を“家族の最終手段”にする

LINEや電話がつながりにくいときの最後の手段が、災害用伝言ダイヤルです。家族で「つながらなかったら171」と決めておくと迷いが減ります。

基本の使い方はシンプルです。
・171に電話する
・ガイダンスに従って「録音」または「再生」
・安否を登録したい人の電話番号で登録/確認

普段から番号だけでも家族全員が覚えていると、災害時に強いです。


■⑥ 被災地派遣で痛感した“連絡がつかない時間”の現実

被災地派遣の現場では、発災直後に「電話がつながらない」「SNSが重い」「電池が切れる」が同時に起きました。多くの人が“何度も電話”をしてしまい、結果として回線がさらに混みます。一方で、最初から「つながらない前提」で家族ルールを持っている人は、焦りが少なく、必要な行動(避難・備蓄・近所確認)に移れました。元消防職員として見ても、通信の混雑は一瞬で広がります。だからこそ、家族の手順を先に決めておく価値が大きいです。


■⑦ WBC視聴を活用した“家庭訓練”のやり方

試合開始前に、1分だけ訓練します。
・家族の集合場所(家の中/外出時)を確認
・定型文を家族LINEにピン留め
・171を全員の連絡先メモに登録(名称も統一)
・モバイルバッテリーの残量確認
娯楽の時間に組み込むと、継続できます。


■⑧ 今日できる最小行動|「一つだけ決める」

全部やろうとすると続きません。まずは一つだけ。
・「つながらなかったら171」
これを家族で共有するだけで、災害時の焦りが減り、行動が揃います。


■まとめ|家族の安心は「同じ手順」で作れる

WBC視聴中のように通信が混む時間帯ほど、災害が重なると情報格差が生まれやすくなります。スマホの優先順位を決め、連絡文を定型化し、最後は171に切り替える。家族で同じ手順を持てば、情報の混乱は大きく減らせます。

結論:
家族の防災は、情報を増やすより「同じ手順を決める」こと。つながらないときは171に切り替える。
防災士として、そして元消防職員としての経験から言えるのは、災害時に強い家庭ほど“連絡が取れない時間を想定している”という点です。想定しているだけで、行動は落ち着きます。

出典:
参考資料:NTT 災害用伝言ダイヤル(171) https://group.ntt/jp/disaster/service/171.html

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