【防災士が解説】WBC Netflix独占配信から学ぶ災害情報格差対策|家族で今日できる3つの備え」

災害時、生活を守るのは「モノ」だけではありません。判断を支えるのは、正確で途切れない“情報”です。
いま話題のWBCが、国内ではNetflixによる独占配信という新しい局面に入ります。これはスポーツの話に見えて、実は「情報の届け方(インフラ)」が変わっていくサインでもあります。防災の視点で、家庭が今できる備えにつなげて整理します。


■① ニュースの要点(何が起きている?)

WBCが国内で動画配信サービスによる独占配信に踏み出したことで、視聴の入り口が「地上波中心」から「配信中心」へ大きく動きます。
Netflix側は、ストック型の作品だけでなく「今、この瞬間」にしか生まれない熱狂(ライブ)を重視し、音楽やスポーツにも本格投資していると語っています。これは“ライブを握るプラットフォーム”が、社会の熱量を集める時代に入ったということです。


■② 防災目線で大事な論点は「情報が届くか」

防災の現場で厳しいのは、被害そのものよりも「何が起きているのか分からない時間」です。
避難の判断、家族の安否確認、給水や炊き出しの場所、通行止め、避難所の混雑――どれも情報がないと動けません。
配信独占のニュースは、スポーツの視聴だけでなく「情報がどの経路で届く社会なのか」を考えるきっかけになります。


■③ これから起きやすいのは“情報の分断”

配信中心になると、見られる人と見られない人の差が出ます。
スマホがある、通信がある、アプリ操作ができる、課金できる――この条件が揃う人は情報にアクセスしやすい。一方で、高齢者・子ども・通信制限・端末故障・停電などが重なると、情報から切り離されやすい。
災害時はこの差が、そのまま「判断の遅れ」「不安の増大」「無駄な移動」「体力消耗」に直結します。


■④ 停電・通信障害の現実(配信は強いが万能ではない)

配信は、平常時には便利で強いです。しかし災害時は、次の弱点が一気に出ます。
・停電でルーターや基地局が止まり、通信が不安定になる
・スマホの電池が尽きると情報手段が消える
・混雑で回線が重くなり、動画は特に止まりやすい
・アプリ操作が難しい家族が置き去りになる
だからこそ、防災では「配信一本足」ではなく、複線化(複数ルート)が基本です。


■⑤ 被災地派遣の現場で痛感した“情報の強さ”

被災地派遣(LO)で現場に入ったとき、最初に差が出るのは、物資よりも情報でした。
同じ地域でも、情報が取れている世帯は「今日は何を優先すべきか」が早く決まり、動きが少なくて済みます。逆に、情報が取れない世帯は、確認のために外へ出て疲れ、噂に振り回され、判断が遅れがちになります。
ここで言いたいのは、特別な知識ではなく「情報の取り方を家族で決めていたか」が効くということです。


■⑥ 家庭でやるべきは“情報手段のセット化”

配信時代の備えは、難しく考えず「セット」にすると回ります。
・スマホ:災害用に通知設定(自治体・気象・交通)を整理
・予備電源:モバイルバッテリー+乾電池式のライト
・予備回線:可能ならサブ回線やテザリングの使い方を共有
・オフライン:地図アプリのオフライン保存、連絡先の紙控え
・非ネット:電池式ラジオ(AM/FM)を一台
配信が主役の時代ほど、最後に頼れるのは「電池で動く手段」です。


■⑦ 家族ルールは短く(迷わない仕組みが勝つ)

ルールは長いほど守られません。災害時は特に「短い」「貼れる」「共有できる」が強いです。
・家族の合言葉:まず充電、次に情報
・情報の役割分担:一人が公式情報、もう一人が家族連絡
・夜の優先:ライト→トイレ→水→体温
防災士として現場で見た“誤解されがちポイント”は、「情報はネットで何とかなる」という思い込みです。災害時は、ネットが使えない前提で“残る手段”を先に持つ方が、結果的に不安が減ります。


■⑧ このニュースを「備え」に変える今日の一手

スポーツ配信の変化は、社会の情報流通が変わるサインです。だからこそ、今日やることはシンプルです。
・スマホの通知設定を見直す(公式情報が来る状態に)
・モバイルバッテリーを充電して、置き場所を固定する
・電池式ラジオを一台、家族が分かる場所に置く
“情報が取れる”だけで、災害時の判断は軽くなります。


■まとめ|配信時代の防災は「情報の複線化」が命を守る

配信サービスがライブに力を入れる時代は、平常時には便利で、熱狂を生みます。
一方で災害時は、停電・通信障害・操作の壁で情報が途切れるリスクがあるため、家庭側は「ネット+電池」の複線化が不可欠です。

結論:
情報は“届く経路”まで備えて初めて、家族の判断と生活を守れます。
被災地派遣の現場でも、情報手段が複線化できている家庭ほど、動きが少なく、体調もメンタルも崩れにくいのが現実でした。

出典:日刊スポーツ「〖WBC〗Netflixが国内独占配信に挑む理由…『今、この瞬間』の熱狂が必要に/前編」。 oai_citation:0‡nikkansports.com

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