「災害に備えて予備バッテリーを保管しているから安心」
実はこの考え方には、大きな落とし穴があります。車のバッテリーは使わなくても劣化する消耗品です。防災目線で、正しい知識と対策を整理します。
■① バッテリーは“置いておくだけ”で劣化する
車用バッテリーは化学反応を利用した機器のため、
使用していなくても自然放電と劣化が進行します。
・新品でも月1〜3%程度の自己放電
・高温環境で劣化が加速
・長期未使用で内部劣化
「未使用=新品状態」ではありません。
■② 予備保存でよくある失敗例
防災現場や相談で多いケースです。
・倉庫や物置に数年放置
・充電せず保管
・夏の高温・冬の低温にさらす
・いざ使おうとして始動不能
“使っていないから安心”が最大の誤解です。
■③ バッテリー劣化の主な原因
予備保存中でも、以下が劣化を進めます。
・自己放電による過放電
・サルフェーション(極板劣化)
・高温による化学反応促進
・低温による性能低下
特に過放電状態が続くと、回復不能になります。
■④ 防災用途での正しい予備バッテリー管理
どうしても予備として保管するなら、条件があります。
・半年〜1年に1回は充電
・涼しく直射日光の当たらない場所
・満充電で保管
・定期的に電圧チェック
それでも永久保存は不可能です。
■⑤ 「予備より循環」が防災では正解
防災視点で最も合理的なのは、
・予備として寝かせない
・実車で定期的に使用
・古くなる前に交換
つまり、
循環させる運用(ローリング)が最適解です。
■⑥ 車中泊避難では致命的な差になる
災害時の車中泊避難では、
・エンジン始動
・暖房・冷房
・電装品使用
これらが命に直結します。
劣化した予備バッテリーでは何も守れません。
■⑦ 元消防士の現場感覚として
実災害では、
「予備はあったが使えなかった」
というケースが本当に多いです。
信頼できるのは、日常で使われているバッテリーだけ。
■⑧ まとめ|予備保存は“安心材料”ではない
・バッテリーは放置で劣化する
・予備保存は管理しなければ意味がない
・防災では「循環」と「更新」が命
災害時にあなたを守るのは、
箱に入った予備ではなく、今も動いている現役バッテリーです。

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