マンション・学校・病院・商業施設など、
多くの建物には 「自動火災報知設備」 が設置されています。
これは一般の家庭で使う「住宅用火災警報器」とは別物で、
建物全体に火災を知らせるための高性能な警報システム です。
この記事では、防災士の視点から
自動火災警報器の仕組み・設置場所・作動の流れ・注意点 を
分かりやすく解説します。
■ ① 自動火災報知設備(自動火災警報器)とは?
建物の中で火災の“煙・熱”を自動で検知し、
館内全体にアラームを鳴らして避難を促す消防設備 のこと。
消防法で一定規模の建物に設置が義務付けられています。
■ ② 自動火災報知設備の構成(中身はこうなっている)
自動火災警報器は、3つのパーツでできています。
● ① 感知器(火災を発見する頭脳)
天井についている丸い装置。
種類は主に2つ:
・煙感知器(煙を検知)
・熱感知器(温度上昇を検知)
※ 住宅用よりも高性能で誤作動しにくい。
● ② 受信機(建物の“司令塔”)
管理室・事務所にある大きな装置。
感知器の信号を受けて以下を行う:
・どこで火災が起きたか表示
・館内に警報を自動で発信
・連動設備を起動(防火扉・排煙設備)
● ③ 発信機(人が押す非常ボタン)
廊下や階段に設置された赤い丸ボタン。
人が火事を見つけたときに手動で通報できる。
■ ③ 自動火災警報器の“作動の仕組み”
以下のどちらかで作動します。
● ① 自動作動(感知器が煙 or 熱を検知)
① 感知器が煙・熱を検知
② 受信機へ信号が送られる
③ 館内のサイレンが鳴動
④ 防火シャッター・排煙設備が自動作動
⑤ 避難開始
自動で一斉に作動するのが最大の特徴。
● ② 手動作動(発信機を押す)
① 人が火災を発見
② 赤い発信機を押す
③ 受信機に信号が送られる
④ 館内警報が鳴り、避難開始
“誰でも押せる非常ボタン” が安全を守る。
■ ④ 自動火災報知設備の種類(建物によって異なる)
● ① 煙感知器
最も一般的。
煙が感知器内に入ると作動。
● ② 熱感知器(定温式・差動式)
・定温式 → 一定の温度に達すると作動
・差動式 → 温度上昇のスピードを検知
キッチン・ボイラー室・駐車場など向け。
● ③ ガス・炎感知器(特殊用途)
病院・工場など特殊な建物で使用。
■ ⑤ 自動火災報知設備が作動したときの建物側の動き
● ① アラームが館内全体に響く
天井スピーカーから「火災です、火災です」と放送。
● ② 防火シャッター・防火扉が自動で閉まる
火の広がりを防ぐため。
● ③ 排煙設備が作動
煙を外に出して視界を確保。
● ④ 消防へ自動通報(建物による)
火災通報装置と連動している施設も多い。
■ ⑥ 自動火災報知設備の“誤作動”はなぜ起きる?
● よくある理由
・ホコリ
・湿気
・虫の侵入
・工事中の粉じん
・感知器の老朽化
● 対策
・定期点検(消防設備点検)を必ず実施
・キッチンは熱感知器にする
・感知器周辺にホコリが溜まらないよう管理
■ ⑦ 自動火災報知設備でやってはいけないこと
● ① 警報を勝手に止める
→ 消火活動・避難が遅れて命に関わる。
● ② 防火扉を物で固定
→ 延焼で多数死傷事故に直結。
● ③ 発信機(非常ボタン)を遊びで押す
→ 完全に違法。業務妨害レベル。
● ④ 定期点検をしない
→ センサー劣化で作動しない恐れ。
■ ⑧ 住宅用警報器との違いは?
● 住宅用火災警報器(家庭用)
・部屋単位で知らせる
・電池式
・安価・小型
・誤作動しやすい
● 自動火災報知設備(建物用)
・建物全体に警報
・司令塔(受信機)がある
・他の設備と連動
・法律で点検が必要
・高性能で誤作動が少ない
■ ⑨ まとめ|自動火災報知設備は“建物全体を守る消防設備”
覚えておくべきポイントは3つ。
✔ 感知器が煙・熱を感知して建物全体に警報を発する
✔ 受信機が司令塔として防火設備を連動させる
✔ 誤作動防止には定期点検が必須
学校・職場・施設では、
“どこに発信機があるか” “防火扉の位置” を把握しておくことが、
命を守る行動につながります。

コメント