冬になると、家庭の揚げ物調理中の火災が年間で最も多くなります。
理由はとてもシンプルでありながら、見落とされやすいものです。
防災士として現場で対応してきた経験から断言できるのは、
「冬の揚げ物は、火災のリスクが平常時の数倍に跳ね上がる」
という事実です。
この記事では、冬に揚げ物火災が増える原因と、今日からできる確実な予防策を解説します。
■① 冬は油の温度変化が激しく“急加熱”が起こりやすい
気温が低いと油が冷えて固まりやすくなり、加熱すると温度が急上昇します。
特に危険なのは以下の状況です。
- 火力が強すぎる
- 古い油をそのまま使用
- 油の量が少なすぎる
- 鍋底に水分が残っている
180℃から**発火点(約250℃)」まで、たった数十秒。
これが冬の揚げ物の怖さです。
■② 揚げ物中の“離席”が冬はさらに危険
冬場は家事が増え、ながら作業が増える季節。
- 洗濯物を取りに行く
- 子どもの呼びかけで離れる
- 宅配対応
- スマホ通知に気を取られる
これらの数十秒が、火災に直結します。
特に冬の油は温度上昇が速いため、数秒の油断が事故につながります。
■③ 換気不足で煙・焦げに気づきにくい
寒い冬は、
- 換気扇が止められがち
- 窓を閉め切る
- キッチンがこもりやすい
この状態では、
煙の臭いに気づいた時には炎が上がっていた
という事例が多く報告されています。
■④ 冬の衣類は“引火リスクが高い”
フリース・ニット・ダウンなど冬の服は、
- 静電気が発生しやすい
- 繊維が燃えやすい
- 袖が広がりやすい
揚げ物中に袖口が炎に触れて火傷する事故は毎年発生しています。
■⑤ IHも安全ではない|冬は“空焚き火災”が多発
IHは火が出ないため「安心」と誤解されがちですが、
- 鍋を置いたまま離席
- 空焚きで鍋が発火点に到達
- 樹脂ハンドルが溶けて火災
という事故が全国で発生しています。
冬のIH調理も、ガスと同じく危険があります。
■⑥ 揚げ物火災が起きたとき“絶対にやってはいけない行動”
1つでも間違えると火災が悪化します。
❌ 水をかける
→ 爆発的に炎が広がる
❌ 揚げ物鍋を動かす
→ 油が飛び散り火災拡大
❌ 布巾をかける
→ すぐに延焼する
正しい行動はただひとつ👇
✔ 蓋を閉めて酸素を遮断する ✔ コンロの火を止める ✔ 消火器で消火
蓋は必ずコンロ横に置いておくのが鉄則です。
■⑦ 冬の揚げ物を安全に行うための予防策
今日からできるシンプルな防災行動はこちら。
- 火力は“中火以下”でじっくり加熱
- 揚げ物中は絶対に離れない
- 厚手の服は脱いで調理する
- 蓋・消火器を近くに置く
- 換気扇を必ず回す
- 古い油は使わない
- 鍋底の水滴を完全に拭き取る
これだけで火災確率は大幅に下がります。
■⑧ 特に注意が必要な“年末年始メニュー”
冬は揚げ物が増える季節です。
- 唐揚げ
- 天ぷら
- フライドポテト
- とんかつ
- オードブル用の揚げ物
“火の近くに長時間立つ料理”が多くなるため、火災リスクが急上昇します。
■まとめ|冬の揚げ物は小さな油断が火災につながる
冬の揚げ物火災は、
- 油の急加熱
- 換気不足
- 厚着による引火
- 忙しさからの離席
- 静電気
これら複数要因が重なり発生します。
結論:
冬の揚げ物は“その場から絶対に離れない”ことが最大の火災予防。現場でも、これだけでほとんどの事故は防げます。
防災士として、冬の調理では常に火元意識を高く持ち、家族全員で「揚げ物は目を離さない」を徹底してください。

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