災害時の避難には、
✔ 自宅に留まる「在宅避難」
✔ 避難所へ移る「集団避難」
✔ 車中泊・テント泊による「分散避難」
という3つの選択肢があります。
そのなかでも、
「テント」や「キャンピングカー」はプライバシー・衛生・寒さ対策の面で優れ、
被災地では非常に役立つ“自分だけの避難空間”となります。
ただし、どんな製品でも良いわけではありません。
間違った選び方をすると、安全性・快適性が大きく損なわれます。
この記事では 防災士の視点で、“災害に本当に使えるテント・キャンピングカーを選ぶチェック項目” を整理して解説します。
■① 立地・災害リスクに合っているか(最重要)
テント・キャンピングカーは場所を選びます。
特に以下は絶対に避けるべき。
- 河川敷・堤防近く
- 土砂災害警戒区域
- 海岸(津波・高潮リスク)
- アンダーパス・低地
- 強風が吹き抜ける場所
- 落下物の危険がある建物脇
“安全に置ける場所があるか”が最初のチェックポイントです。
■② テント:耐水圧・耐風性を確認できているか
災害時の雨・風に耐えるためには最低限以下が必要。
- 耐水圧 1,500〜3,000mm以上(雨量の多い地域は3,000以上推奨)
- 耐風性(風速10〜15m/s以上)
- フライシートがしっかり二重構造
- アルミポール(折れにくい)
- 簡単に設営できる構造
※災害時は心身が消耗しているため、設営難易度も重要。
■③ テント:通気性・寒さ対策は十分か
避難所の外周や公園に設置するケースでは、
「結露」「低体温症」が大きなリスク。
- ベンチレーション(換気口)が複数ある
- 夏の熱こもりを防げる
- 冬はスカート付きで冷気を遮断
- グランドシート(地面からの冷気対策)
- インナーが吊り下げ式で暖かい
冬・梅雨・真夏…季節ごとに使えるかを必ずチェック。
■④ キャンピングカー:エンジン停止中の電力確保はできる?
災害時にキャンピングカーが強いのは電源確保。
確認する項目は:
- サブバッテリー容量
→ 100Ah以上×2基が望ましい - ソーラーパネル搭載(200〜300W以上)
- 外部電源の接続が可能か
- インバーター 1,000〜1,500W
- 停車中でも換気できるルーフベント・ファン
※エンジンかけっぱなしは危険(CO中毒のリスク)。
■⑤ キャンピングカー:断水時の生活がどこまでまかなえるか
災害時に重要なのは「水とトイレ」です。
- 清水タンク(40〜100L)
- 排水タンク容量
- 車内トイレの有無
- 簡易トイレが設置可能なスペース
- 車内シャワー or 体拭きスペースの確保
水がどのくらい持つか=避難生活の質が決まる
■⑥ 寝る安全性・防寒性・プライバシー
テント・キャンピングカー共通のチェック項目。
- 寝室スペースは家族人数+1〜2人分の余裕
- 防寒用の寝袋(快適温度0℃以下)
- インナーシェルターの遮光性
- 外から見えない構造
- 雨音・風音対策(ストレス軽減)
避難生活は想像以上に過酷なので、睡眠環境の質は命に直結します。
■⑦ 避難所との距離・生活動線は確保できるか
テント・キャンピングカー避難は便利ですが…
- 物資は避難所から配布される
- 医療は避難所・支援拠点に集中
- 情報も避難所で集まる
そのため、
「離れすぎず、近づきすぎず」 徒歩5分圏内がベスト。
■⑧ 保管場所は確保できているか(平時の準備)
意外と見落とされがち。
- テントは湿気でカビるので陰干しできるか
- キャンピングカーは大きな駐車スペースが必要
- メンテナンス費(車検・オイル・タイヤ)は年間10〜20万円
- バッテリーは2〜5年で交換(防災では極めて重要)
防災とキャンプは違う。 “維持”ができて初めて安心につながります。
■まとめ|災害時に使える「本物のテント・キャンピングカー選び」とは?
防災用途では、
✔ 置ける場所が安全か
✔ 雨・風・寒さに耐えられるか
✔ 電源・水・トイレの確保ができるか
✔ メンテナンスを続けられるか
この4つが最重要。
特に防災士としての現場経験では、
- 雨漏りするテント
- 通気性が悪く熱中症になるテント
- 電源が尽きるキャンピングカー
- 車内排気による事故
こうした“選び方のミス”が命に関わる場面を何度も見てきました。
結論:
防災用にテント・キャンピングカーを選ぶなら 「災害の現場で本当に使えるか」を最優先に。 機能・設置場所・維持費まで含めた総合判断が命を守ります。

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