温水洗浄便座(ウォシュレット)は普及率80%を超え、
今や日本人にとって生活インフラの一部です。
しかし――
「公共のトイレで使うのは不衛生では?」
「気持ち悪いから使わない」
という声はとても多く、特に若年層の女性は 利用率が50%未満 というデータも。
この記事では、防災士の視点で
「温水洗浄便座の衛生性 × 災害時のトイレ問題」 をまとめて解説します。
■① 自宅の温水洗浄便座は使う人が多いが、外では半数が使わない
日用品大手の調査では、
- 自宅で「よく使う」…66.1%
- 自宅以外(公共施設等)で使う…46.8%
特に使わない理由は…
- 不特定多数が使っているから
- 不衛生だと思う
- なんとなく気持ち悪い
つまり 心理的抵抗が非常に大きい のが現状です。
■② 公共の温水洗浄便座は“不衛生なのか”?
日本レストルーム工業会が第三者機関と行った調査では、
✔ ノズルは使用前後に自動洗浄される
→ 使用時は“ほぼ清潔な状態”になる設計。
✔ ノズルから出る水質は「水道水レベル」
→ 仮に雑菌がいてもすぐ減少し、元の水質に戻る。
✔ ノズル内部に雑菌が逆流する現象は確認されず
→ 内部が汚染されている可能性は極めて低い。
> 結論:公共トイレでも“設備としては”安全性は高い。
■③ 感染症(ノロウイルス等)対策としてのメリット
実験では、排便後に…
● トイレットペーパーのみ
→ 手につく菌の量は多く、
ペーパーの穴(菌の100倍の大きさ)を菌が通過してしまう。
● 温水洗浄便座を30秒使用
→ 菌が 1/10,000以下 に減少。
これは 二次感染(家族内感染)防止に極めて有効 です。
■④ 温水洗浄便座は災害時の“感染症対策”にも強い
避難所では、
- トイレの衛生状態が悪化
- ノロウイルス、ロタの集団感染
- 洗浄環境が整わない
という深刻な問題が常にあります。
温水洗浄便座があれば、
- 便を手に付けない
- 二次感染を防げる
- 洗浄用の水が少なくても清潔を保てる
というメリットがあり、
「感染症の拡大を防ぐ防災ツール」 と言えます。
■⑤ 注意点|洗いすぎは逆に危険
トイレ業界では「温水洗浄便座症候群」という言葉があります。
✔ 洗いすぎ・長時間洗浄
→ 肛門のかゆみ、皮膚の炎症の原因に。
✔ 推奨される洗浄時間
→ 10〜20秒
✔ 局部内まで洗わない
→ 常在菌バランスが崩れ、逆に感染しやすくなる。
正しい使い方を守れば、
清潔性と安全性の両方を担保できます。
■⑥ まとめ|温水洗浄便座は“公共でも使ってよい”防災衛生ツール
温水洗浄便座は、
公共トイレでも“設備としての安全性”は高く、さらに…
- 手に付く菌を1/10,000にする
- ノロウイルスなど二次感染を防ぐ
- 避難所・災害時の感染症対策として優秀
- 正しい使い方なら肌トラブルも防げる
不衛生だから危険ではなく、正しく使えば“むしろ感染症対策として最強”。
これからの防災を考える上で、
「温水洗浄便座=衛生の重要インフラ」という認識がますます必要になります。

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