【防災士が解説】冬の避難所で高まるストレス|寒さだけでは終わらない“心の負担”

冬の避難所は、寒さ・環境・心理的負荷が重なり、ストレスが一気に高まりやすい場所です。
被災地支援で冬期の避難所に入った際、心の疲れが身体より先に限界に近づいていく方を何度も見てきました。

ここでは、冬の避難所で特にストレスが増える要因と、その対策をまとめます。


■① 寒さで眠れず、疲れが蓄積する

冬の避難所では、寝ても休まらない日が続きます。

・床冷え
・毛布の不足
・暖房が効かない
・夜間の気温急降下

睡眠がとれない状態が続くと、心の余裕がどんどんなくなります。
被災者の方々からも「とにかく眠れない」という声が最も多く聞かれました。


■② プライバシーがなく気持ちが落ち着かない

避難所は共同生活のため、どうしてもプライバシーが限られます。

・周囲の声や物音が常に聞こえる
・着替えも気を遣う
・家族の悩みを話す場所もない

冬は扉を閉め切るため、音がこもりやすく「逃げ場がない」という感覚が強まります。


■③ 乾燥による不調がストレスを増幅させる

冬の避難所は激しく乾燥します。

・喉の痛み
・咳
・肌荒れ
・頭痛

体調の小さな不調が積み重なることで、心のストレスが増えていきます。


■④ 『先が見えない不安』が強くなる

冬は日照時間が短いため、心理的に落ち込みやすくなります。

・家の修理の見通しが立たない
・ライフラインが復旧しない
・仕事や学校の不安
・“寒さの中での生活がいつまで続くのか”という焦り

被災者の方が涙をこらえながら心情を語った場面も少なくありませんでした。


■⑤ 子どもの体調や精神面が気になり、親のストレスが増加

寒い避難所では子どもが体調を崩しやすく、親の負担はさらに増えます。

・咳や鼻水が止まらない
・寝不足で機嫌が悪い
・遊び場がなくストレスがたまる

親子ともに休まらず、精神的に追い込まれるケースを多く見てきました。


■⑥ 高齢者が寒さで弱り、家族が常に心配する

高齢者は、寒さにより体温が奪われやすく、ストレスと不安が増幅します。

・低体温症のリスク
・持病の悪化
・夜間のトイレが危険

家族は「目を離せない」という感覚に苦しむため、負担が連鎖していきます。


■⑦ 情報の不足や誤情報に振り回される

冬の災害時は停電や通信障害で、正しい情報が届きにくいことがあります。

・SNSの噂話
– デマ
・情報が古いまま判断しないといけない

被災地では「本当のところがわからない」ことが大きなストレス源になります。


■⑧ 周囲に気を遣い続け、緊張が解けない

避難所では「迷惑をかけたくない」という思いから、みんな無理をしがちです。

・咳をすると申し訳なく感じる
・夜間に動けず我慢してしまう
・自分の悩みを言えない

結果として心の中にストレスが溜まり、後から体調を崩す人も少なくありません。


■まとめ|冬の避難所は身体だけでなく“心”も守る必要がある

冬の避難所は寒さ・不安・環境の厳しさが重なり、ストレスが急激に増加します。
心身の負担が積もると、判断力や行動力が落ちてしまうため、少しでも環境を整え、無理なく過ごすことが非常に大切です。

結論:
冬の避難では、体温と同じくらい“心のケア”が重要。防災士として、被災者の表情が寒暖以上に変化していく現場を何度も見てきました。無理せず休める環境づくりこそ、命を守る一歩です。

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