冬の災害時、避難所が満員・ペット同行不可・家族事情などで「車中泊」を選ばざるを得ないケースは少なくありません。
私は被災地支援で何度も車中泊を経験し、寒さや姿勢の悪さ、足のむくみなどで体調を崩す人を多く見てきました。
特に冬は エコノミー症候群(深部静脈血栓症) のリスクが高まるため、正しい対策が欠かせません。
ここでは、普通車でもできるフルフラット化のコツと、冬の車中泊で命を守るためのポイントを解説します。
■① なぜ冬の車中泊は危険性が高いのか?
冬は
- 気温低下
- 乾燥
- 長時間の同じ姿勢
- 水分不足
が重なり、血液が固まりやすい状態になります。
私が関わった避難支援でも、車中泊を続けて足が腫れたり、息苦しさを訴える方がいました。
冬の車中泊は「寒さ × 姿勢 × 水分不足」の三拍子でエコノミー症候群のリスクが大幅に高まります。
■② 普通車でもできる“フルフラット化”の方法
完全に平らにできなくても、「できるだけ水平に近い寝床を作る」ことが大切です。
● 後部座席を倒す(基本)
多くの車は後席を倒すと荷室とつながり、ほぼフラットになります。
● 段差を埋める
段差は寝心地を悪くするだけでなく、血流を悪くします。
おすすめは以下の方法:
- タオルや毛布を折り重ねる
- クッションや座布団を敷く
- 段差埋め専用のインフレーターマットを使う
● 頭は高くしすぎない
高枕は首・肩の痛みの原因になります。
“横になれる姿勢を確保する” ことがエコノミー症候群予防にもつながります。
■③ 冬の車内を暖かく保つための工夫
暖房を長時間つけるのは危険(CO中毒・バッテリー上がり)なので、無暖房でも耐えられる準備をします。
● 銀マット・断熱マットを窓に貼る
窓から熱が逃げるため、断熱効果が大きい。
● 寝袋(冬用)を使用
- 気温0〜−5℃対応のものが安心
- 私の経験では「寝袋の中に毛布」をすると体感温度が大きく上がります。
● レインコートを重ね着
風を遮断し、体温保持に効果的。
■④ エコノミー症候群を防ぐ“3つの必須行動”
災害時の車中泊で一番トラブルが多いのがこれです。
1)こまめに足を動かす
- かかとの上下運動
- 足の曲げ伸ばし
- ふくらはぎを指で揉む
横になっていても血流が悪くなるため、意識して動かしましょう。
2)水分をしっかりとる
寒いと水分摂取が減りますが、脱水は血液をドロドロにします。
お茶・水・常温のスポーツドリンクなどがおすすめ。
3)寝る前に“深呼吸+全身ストレッチ”
筋肉を緩めることで血流が整い、トラブルが起きにくくなります。
■⑤ 冬の車中泊で「絶対にやってはいけないこと」
実際に支援現場で危険だった例です。
● エンジンをかけたまま寝る
雪が積もり排気口が塞がると、数分でCO(一酸化炭素)が車内へ。
命に関わる最も危険な行為です。
● 厚着しすぎて血流が悪くなる
特に靴下の重ね履きで足先が逆に冷えるケースあり。
● 飲まず、動かず、丸まった姿勢で長時間過ごす
これがエコノミー症候群の典型的な危険パターンです。
■⑥ 子ども・高齢者と一緒の車中泊で注意すること
- 子どもは体温を奪われやすい
- 高齢者は血栓リスクが高い
寝袋を2段重ねにしたり、断熱材を多めに敷くなど、より丁寧な環境づくりが必要になります。
冬場の車中泊支援で特に気を配るのはこの2層でした。
■⑦ 便利だった“実際の現場アイテム”
私自身が災害現場で重宝したのは次の3つです。
- インフレーターマット(段差を消して快適)
- カイロ(寝袋の足元に入れると効果大)
- 500mlの常温水(夜間の水分補給に必須)
こうした小さな工夫が、冬の車中泊では大きな差になります。
■⑧ 車中泊は“避難生活の一部”という意識が大切
車中泊は一時的に便利ですが、
長期化すると体調を崩す人が必ず出ます。
- 日中は避難所で体を伸ばす
- こまめに水分補給
- 短期間で切り上げる意識
この3つを心がけるだけで、安全性は大きく変わります。
■まとめ|冬の車中泊は“準備で安全性が決まる”
冬の車中泊は、普通車であっても工夫次第で安全性と快適性を高めることができます。
ポイントは
- フルフラット化して横になれる環境をつくる
- 暖房に頼らず断熱と保温を強化する
- エコノミー症候群を徹底的に予防する
- 水分・ストレッチ・姿勢改善を欠かさない
これが、私が被災現場で何度も痛感した“命を守る基本”です。
結論:
冬の車中泊は工夫と知識があれば安全性が大きく上がる。特にエコノミー症候群対策は必ず行ってください。
あなたと家族の命を守るための準備として、ぜひ今日から取り入れてほしいと思います。

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