【防災士が解説】冬の巨大地震で「備えが命を救う」理由|寒さ・停電・深夜のリスクをどう乗り越えるか【防災×冬】

冬に起きる巨大地震は、被害が一気に拡大します。
寒さ・停電・深夜──この3つの条件がそろうと、避難行動が遅れ、体温が奪われ、命に関わる状況に陥ります。

東日本大震災や能登半島地震で、冬の厳しさがどれほど人々を追い詰めたかを現場で見てきました。
その経験をもとに、冬にこそ必要な「巨大地震への備え」をまとめます。


■① 冬の巨大地震は“深夜”が一番危険

内閣府の想定では、冬の深夜に巨大地震が発生した場合、

  • 避難開始が遅れる
  • 真っ暗で外の様子が分からない
  • 氷点下で体温が急低下
  • 積雪で避難経路が塞がれる
    この4つの要因で死亡リスクが最も高いとされています。

特に津波地域では、深夜の遅れが命取りになります。


■② 発表された「後発地震注意情報」とは?

青森県で震度6強が発生したあと、初めて「後発地震注意情報」が発表されました。

これは…

  • 周辺で大地震が起きる確率が1000回に1回 → 100回に1回に上昇
  • 数日〜1週間は大きな揺れが続く可能性がある
    という“相対的なリスク増加”を示す情報です。

必ず地震が起きるわけではありませんが、「逃げられる態勢を保つ」ことが求められます。


■③ 冬にやるべき「最重要の備え」は体温確保

能登の支援で痛感したのは、低体温症の怖さです。

  • 暖房なしの避難所
  • 床が氷のように冷たい体育館
  • 濡れた服のまま避難
  • 子どもや高齢者が体温を奪われやすい

低体温症は本人が「寒い」と感じた時点で危険サイン。
避難グッズには必ず以下を入れておきましょう。

  • ダウン・フリース
  • カイロ
  • 帽子・手袋
  • アルミブランケット
  • 厚手の靴下
  • 上履き(床冷え対策)

特に上履きは、避難所の床冷えを大きく軽減します。


■④ 停電中の夜間は“行動が遅れる”

冬の停電は、寒さに加えて暗闇が最大の敵になります。

  • 足元の段差が見えない
  • 倒れた家具が障害物に
  • 凍った路面が黒くて見えない
  • ガラス片が散乱していても分からない

ライトは2つ以上、手の届く場所に置くことが重要です。


■⑤ 津波の可能性がある地域は“防寒より逃げる”

津波警報が出たら、とにかく即避難。

  • コートより靴
  • 荷物よりスピード
  • スマホは手に持つだけ

外は氷点下でも、津波から逃げることが最優先です。


■⑥ 寝るときの備えを“冬仕様”に変える

後発地震の可能性が高い1週間は、寝るときの準備が命を守ります。

  • 暖かい服装で寝る
  • 子どもと同じ部屋で
  • ダウンと靴を枕元へ
  • ヘッドライト・スマホを近くに
  • 断水に備えて水を確保

深夜の地震に備え、「起きて10秒で避難開始」が理想です。


■⑦ 冬の避難所は“寒さ”が最大のストレス

2019年、北海道で避難所訓練をしたとき、暖房なしの体育館は氷点下のような環境でした。

  • 床が固くて冷たい
  • 横になるとすぐ体温を奪われる
  • 風が通って冷える
  • 水の確保が大変
  • トイレの行列で外気に触れ続ける

段ボールベッドがあれば大幅に改善しますが、すべての避難所にあるわけではありません。

だからこそ、自分の身は自分で温める準備が必要です。


■⑧ 家族や地域との声かけが“冬の地震では命を救う”

冬の避難は、荷物が多く、足元も悪く、行動が遅れがちです。

  • お年寄り
  • 子ども
  • 妊産婦
  • 移動が難しい人

こうした人の手助けには、事前の声かけが重要です。

「地震のときは一緒に避難しましょう」
この一言が、混乱時の助けになります。


■まとめ|冬の巨大地震に勝つには“体温・行動・準備”の3つ

冬は地震そのものよりも、寒さや停電、深夜の暗さが命を奪います。

結論:冬の巨大地震は“寒さとの戦い”。体温確保が命を救う。

現場の被災者の声を聞くたびに、冬の備えの重要性を痛感します。
今日できる一つの備えが、未来の命を守ります。

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