巨大地震は「いつ」「どこで」起きるか誰にも分かりません。
そして被災地で活動してきたなかで強く感じたのは、
“家族で話し合っていた家庭”は助かりやすく、 “話し合っていなかった家庭”は避難に時間がかかり、危険が増す
という厳しい現実です。
家族会議は「時間があればやるもの」ではなく、
命を守るための準備そのもの です。
■① 家族会議の目的をはっきりさせる
まず最初に家族全員で共有すべきは、
- どんな災害が起きる可能性があるのか
- その時、家族がどこにいるのか
- どうすれば命を守れるか
目的が曖昧なままでは家族会議は機能しません。
特に冬の深夜の巨大地震は最悪条件のため、“最速の避難行動”が重要です。
■② 家族それぞれの「平日の居場所」を確認する
地震は都合よく家にいる時には起きません。
- 子どもは学校か?
- 親は職場か?
- 高齢の家族は家の中か?
被災地では、家族の居場所が分からず不安で動けない人を多く見ました。
平日の行動パターンを地図にまとめておくのが効果的です。
■③ 連絡が取れない前提で「合流場所」を決める
巨大地震直後は、ほぼ間違いなく通信がつながりません。
そのため家庭で決めるべきは、
- 家の前(一次集合)
- 近所の公園(第二集合)
- 避難所(最終集合)
のように 段階的な合流場所を明確にすること。
能登半島地震の現場でも、
「どこに向かうか決めていなかったために家族が散り散りになった」
という声を何度も聞きました。
■④ 家の危険箇所を家族で共有する
家の中には、地震時に命を奪う危険が潜んでいます。
- 大型家具の転倒危険
- ガラスの飛散
- 階段・玄関の暗さ
- 夜間の足元
家族全員で歩きながらチェックし、
「どこが危険で、どう動けば安全か」を共有しておくことが重要です。
■⑤ 子ども・高齢者の“特別な支援”を決めておく
避難では体力差・判断力差が大きく影響します。
- 誰が子どもの手を引くのか
- 高齢者の歩行補助は誰が担当するか
- 荷物を誰が持つのか
災害時は役割を決めていないと混乱します。
最初の1分で行動が遅れれば、生存率が大きく下がります。
■⑥ 防災グッズの保管場所を全員が把握する
防災リュック、ヘルメット、懐中電灯、簡易トイレなど
「どこにあるか分からない」という家庭は非常に多いです。
- 枕元にライト
- 玄関にリュック
- リビングに非常食
- 車にブランケット・水
家族全員が“目をつぶっても取れる”レベルにすること。
■⑦ 避難のシミュレーションを実際にやってみる
頭で考えるだけでは意味がありません。
- 夜、電気を消して避難経路を歩く
- 靴を履いて2分で外へ出る訓練
- 子どもにもライトの使い方を教える
避難訓練を家庭でやることで、行動が圧倒的に速くなります。
被災地では 「訓練していた家庭は驚くほど落ち着いていた」 のが印象的でした。
■⑧ 家族で「災害を日常の話題にする」
家族会議は一度きりでは意味がありません。
- 1〜2か月に一度
- 季節の変わり目に
- ニュースで地震を見た時に
短い時間でも話題にすることで、“備える意識”が家族の共通基盤になります。
■まとめ|家族会議は“命を守る準備そのもの”
巨大地震では、防災グッズよりも重要なのは 家族の合意形成 です。
結論:
次の巨大地震に備える最強の対策は、家族で話し合い「行動をそろえる」こと。 準備をしていた家庭は助かりやすい。これが現場で痛感した事実です。
防災士として、そして被災地を歩いてきた一人として、
ぜひ今日10分だけでも家族会議の時間をつくってほしいと思います。

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