巨大地震が冬の深夜に起きた場合、最も過酷になるのが「避難所での生活」です。
私はこれまで東日本大震災、熊本地震、九州北部豪雨、能登半島地震などの被災地で支援に入りましたが、避難所の準備をしていた人と、そうでない人の差は想像以上に大きい と痛感しました。
ここでは、巨大地震後に避難所へ向かう際に知っておくべき“実際に役立つ行動”をまとめます。
■① 避難所までのルートを家族で共有する
巨大地震後は街灯が消え、道路が陥没し、ガラスが散乱します。
特に冬の深夜は視界が悪く、風が強いと体温も奪われます。
そのため、
- 徒歩での避難ルート
- 迂回ルート(道路損壊時の対応)
- 子どもや高齢者が歩ける距離かの確認
これらを事前に家族で共有しておくことが重要です。
被災地では「避難所へ行く道が分からず立ち止まった」ケースが多く見られました。
■② 避難所は“寒い・暗い・固い”が基本と理解する
冬の避難所は、以下の3つが最大のストレス要因になります。
- 寒い(夜間0℃以下も珍しくない)
- 暗い(停電で照明がつかない)
- 固い(体育館の床が想像以上に冷たい)
能登半島地震でも、暖房が使えない避難所で低体温症が相次ぎました。
夜間の体育館の床は、雪の上に寝ているような冷たさです。
■③ 避難所で必要な“冬の必須アイテム”を準備する
避難所に到着しても、必要な物資はすぐ届きません。
実際の現場でも、毛布や段ボールベッドが行き届くまで数日かかることが多いです。
最低限、自分で持って行くべき防寒用品の例:
- ダウンや厚手のアウター
- 手袋・帽子・ネックウォーマー
- カイロ(多めに)
- ブランケット・エマージェンシーシート
- 厚手の靴下+上履き
- 寝袋(持てるなら非常に有効)
特に上履きは、体育館の床の冷えを大幅に軽減します。
■④ 避難所では“到着後の行動”が大切
避難所に着いたら、次のステップを意識してください。
- 安全な場所の確保(天井や窓から離れた位置)
- 荷物の置き場を決める
- 寒さ対策を最優先で行う
- 水・トイレの位置を確認する
- スタッフの指示を聞く
避難所は混乱しやすく、
「何からすればいいか分からない」状態に陥る人が多いです。
■⑤ 避難所ではプライバシーがほぼ無いと心得る
被災者の多くが挙げるストレスは「プライバシーの欠如」。
- 声
- 光
- 物音
- 生活リズムの違い
これらが24時間続きます。
そのため、可能であれば
- アイマスク
- 耳栓
- 仕切りになるタオルや布
を持参すると、精神的疲労が大幅に軽減されます。
■⑥ 子ども・高齢者ほど避難所で困りやすい
被災地で特に目立つのが、
- 子どもの不安
- 高齢者の体調悪化
- 障がい者支援が遅れる問題
子どもは「暗さと静けさ」に強い不安を感じます。
そのため、
子ども用のライトやお気に入りのぬいぐるみ は有効です。
高齢者は、底冷えにより体温が急下するため、
体を冷やさない対策が命を守る行動となります。
■⑦ 避難所は“完全な安全”ではないと理解する
避難所も建物である以上、
- 余震による破損
- 過密による感染症
- トイレトラブル
- 寒さによる体調悪化
などのリスクがあります。
避難所にいるから安心ではなく、
避難所でどう生き抜くかを考えることが大切です。
■⑧ 避難所に行けない時の“自宅避難”も選択肢にする
冬の深夜、道路が凍結している場合、
外へ出ることがかえって危険なケースもあります。
- 自宅の倒壊リスクが低い
- 崖や海から離れている
- 家の損傷が軽い
このような条件であれば、
短時間の自宅避難の方が安全な場面もあります。
被災者支援の現場でも、
「無理に避難所へ行かず、自宅避難を選んだ人」が一定数いました。
■まとめ|避難所は“準備した人”ほど生き抜きやすい
次の巨大地震は、冬の深夜に起きれば最悪の条件になります。
結論:
避難所での生活を想定し、防寒・プライバシー・心のケアまで事前に備えておくことが、命を守る最も現実的な対策です。
防災士として被災地を歩いてきた経験から断言します。
避難所対策をしている家庭は、確実に生存率が上がります。

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