冬の災害時、軽自動車での車中泊は「寒さ」「結露」「姿勢の悪さ」「不安感」の4つが大きな課題になります。能登半島地震でも、車中泊が長引いたことで体調を崩す方が多く、現場で支援しながら寒さ対策の重要性を痛感しました。
今回は、限られた空間でも“ぐっすり眠れる車内環境”を作るための実践的な工夫を解説します。
■① 車内断熱は“窓の冷気を遮断する”ことが最優先
冬の車中泊では、7割以上の冷気が窓から入ります。
対策
- サンシェードを全窓に
- アルミシートをプラス
- カーテン代わりにバスタオルでも可
被災地でも、窓の断熱ができた車は朝の温度が明らかに違いました。
■② 座席段差を“タオルとクッション”で徹底的に均す
軽自動車は段差が大きく、そのまま寝ると腰に負担がかかります。
改善策
- バスタオルを丸めて隙間を埋める
- クッションで高さを揃える
- マットを敷いてフラット化
腰痛持ちの方ほど、この工程で睡眠の質が大きく変わります。
■③ 布団より“寝袋+インナーシーツ”が圧倒的に暖かい
布団は車内の湿気で冷えます。
寝袋は湿気に強く暖かさも長続きします。
ポイント
- 締め切らず、少しだけ空気を逃がす
- シーツを追加すると保温性アップ
- 足元に毛布を追加するとさらに暖かい
実際に被災地で「寝袋があったから眠れた」という声は本当に多かったです。
■④ 小型ランタンで“安心して眠れる空間”を作る
真っ暗は不安を増幅させます。
対策
- 足元に小さな灯り
- 眩しくない暖色系のライト
- 消しやすい場所に置く
避難生活では「心理の安定」も立派な防災対策です。
■⑤ 深夜の寒さ対策は“首と腰を温める”のが最も効果的
体幹を温めると、体温は維持されやすくなります。
おすすめ
- カイロを腰・腹部に貼る
- 首元にタオルを巻く
- 足元は厚手の靴下で保温
消防職員としての経験上、体幹を温めることが最も体力低下を防ぎます。
■⑥ スマホの電池は“ポータブル電源+節電モード”
車中泊ではスマホが命綱です。
節電ポイント
- 低電力モード
- 画面の明るさを最低に
- 位置情報は必要時のみオン
- 充電はポータブル電源で
深夜のバッテリー切れは不安に直結します。
■⑦ こまめな換気で“結露と酸欠”を防ぐ
冬でも換気は絶対に必要です。
対策
- 窓を1cm開ける
- 雨の日はバイザーを活用
- シェードで外気を遮断しつつ換気
結露が減ると体感温度が上がり、布団の冷えも軽減されます。
■⑧ 朝の冷え込みは“起きた瞬間の行動”で変わる
特に夜明け前〜6時は最も冷える時間帯です。
起きてすぐ
- ダウンを羽織る
- 温かい飲み物を一口
- カイロを手にあてる
体温低下を防ぎ、行動力を維持できます。
■まとめ|軽自動車でも“安全で温かい寝床”は作れる
冬の車中泊は危険も多いですが、工夫次第で快適性は大きく向上します。
結論:
断熱・保温・姿勢・安心感。この4つを整えれば軽自動車でも十分眠れる環境になる。
被災地で多くの車中泊を見てきましたが、準備できている人ほど体力も判断力も落ちませんでした。
災害時の車中泊は、ただの“寝る場所”ではなく、命を守る避難行動の一部です。

コメント