【防災士が解説】近助の限界と注意点|「助け合い」に潜む3つのリスク

近助は災害時に非常に重要な力になります。
しかし、万能ではありません。

「善意」だけで動いた結果、
かえって被害が拡大するケースもあります。


■① 近助にも「できること・できないこと」がある

近助はあくまで初動支援です。

・専門的な救助
・医療行為
・危険区域での活動

これらは近助の役割ではありません。


■② 善意が二次被害を生むこともある

現場で実際に起きているのが、

・無理な救助で自分が負傷
・倒壊家屋に入って閉じ込められる
・火災・ガス漏れへの不用意な接近

「助けたい気持ち」が命を奪うこともあります。


■③ 近助は“指揮系統”がないと混乱する

誰が何をするか決まっていないと、

・同じ支援が重複
・必要な場所に人が集まらない
・情報が錯綜する

結果として救助効率が下がります。


■④ 近助に頼りすぎると公助が遅れる

「誰かがやってくれるだろう」という空気は危険です。

・通報が遅れる
・避難が後回しになる
・専門機関への連絡不足

近助は公助の代わりではありません。


■⑤ 助ける側の心のケアも必要

災害後、近助に関わった人が、

・強い罪悪感
・無力感
・トラウマ

を抱えるケースも少なくありません。


■⑥ 近助は“強制”してはいけない

「やらなかった人」を責める文化は逆効果です。

・できる人が
・できる範囲で
・無理なく

これが近助の原則です。


■⑦ 自助が崩れると近助も崩れる

自分の安全が確保できていなければ、

・判断力が低下
・行動が雑になる
・周囲を危険に巻き込む

まずは自助が最優先です。


■⑧ 近助は“準備された関係性”で活きる

事前に、

・役割
・連絡方法
・避難ルール

を共有していない近助は、場当たり的になります。


■まとめ|近助は万能ではない

近助は重要ですが、過信は禁物です。

結論:
近助は「善意」ではなく「安全と判断」を前提に行う防災行動である。

元消防職員として現場に立った経験から言えるのは、
命を守れた近助ほど「無理をしていない」という共通点があります。
助ける勇気と、引く判断。その両方が防災です。

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